深まる秋。紅葉の名所を訪れる計画を立てている方も多いのではないでしょうか。春は桜、秋には紅葉を愛でるわたしたちにとって、自然が奏でる季節のうつろいは神秘的です。
しかし落ち葉の話なのに、なぜ紅葉の話題から始まるのでしょう? その理由は「紅葉は落葉樹だけに見られる現象」だからです。
気温が下がり日照時間が短くなると、葉っぱの中の成分割合が変化したり、枝と葉っぱをつなぐ回路が遮断され、緑色でいられなくなります。これが紅葉です。紅葉するということは、樹木が「葉っぱを落とす準備が整いました」というサインというわけです。
ではなぜ、樹木はこの時期に葉を色づけ、落とすのでしょうか。それは寒い冬を乗り切るためです。できるだけ冷たい空気に触れる部分を少なくするために葉っぱを落とし、暖かくなるまで冬眠状態に入るのです。
樹木が落とした葉は豊富な栄養分を含んでいて、キノコなどを生長させ、バクテリアや虫の食べ物になります。さらに雨がその栄養を土中に染み込ませます。
春になって活動を始めた樹木は、それらの栄養素をもとにしてまた働くという、まさに自然が作った循環の仕組みが成り立っています。落ち葉が都会のコンクリートの上でとかく厄介者扱いされてしまうのは、こうした循環システムに加われないからと言えます。
特に街路樹の落ち葉は歩行者が滑ったり美観を損なうとされ、国や自治体とともに周辺住民にも協力を仰ぎ、処理を行います。それを発展させたのが「落ち葉銀行」という、お得でエコな取り組みです。
重なって土になり「腐葉土」になる落ち葉の性質を利用したもので、集めた落ち葉を持っていくと、1〜2年後「預金量」に見合った腐葉土がもらえる仕組みです。
街中の美化やゴミの減量、ゴミ処理費の削減にも役立つとして、市町村単位で行われています。家庭でも庭の落ち葉を使った堆肥がつくれるそうなので、ガーデニングや野菜づくりを楽しんでいる方はぜひトライしてみてください。
自然サイクルの中で重要な役割を果たしている落ち葉は、山はもちろんのこと、都会であっても地の宝といえる存在です。紅葉を楽しんだ後の落ち葉の行く末にも、ちょっと心を寄せてみてください。
※参考
日本学術会議 http://www.scj.go.jp/
一般社団法人 日本植物生理学会 https://jspp.org/
国土交通省関東地方整備局 http://www.ktr.mlit.go.jp/
深谷市ホームページ http://www.city.fukaya.saitama.jp/
府中市ホームページ https://www.city.fuchu.tokyo.jp/
テレビ東京 http://www.tv-tokyo.co.jp/
JAたがわ http://www.ja-tagawa.or.jp/
11月から12月にかけてのこの時期、寒ブリ漁が幕を開けます。富山の漁の始まりを告げるのは「鰤起こし」と呼ばれる、富山湾に雷鳴が鳴り響く大荒れの天気です。
鰤起こしは、古くは「御満座荒れ(ごまんざあれ)」とも言われていました。御満座とは旧暦の11月28日のことで、親鸞の命日にあたります。
旬を迎えるブリはスズキ目アジ科に属する、大型の肉食魚です。天然ものは、佐渡ブリ、能登ブリ、氷見ブリなどが有名ですが、養殖の歴史も長く、昭和の初めには香川県で養殖に成功しています。そのおかげで1年を通して食べられるようになりました。
さて、「東のサケ、西のブリ」といえば、大晦日にいただく「年取り魚」として知られています。サケもブリも塩蔵がきき、長距離輸送が可能だったことや、姿が大きく豪華なことから年取り魚になったとか。
東西の境界線はあの糸魚川静岡構造線、そう、フォッサマグナの西側です。実際に長野県では北部エリアでは新巻鮭を、中部・南部エリアではブリを食べるのが伝統になっているそうですよ。
ブリが出世魚というのはよく知られていますが、その呼び方は地方で異なるのをご存じですか?
関東では「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」、関西では「ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」、北陸は「ツバイソ→コズクラ→コクラギ→ハマチ→ガンド→ブリ」、東北になると「ツベ→イナダ→アオ→ブリ」で、幼魚時代の呼び名は実にさまざまです。
漁港から出荷をする際は、各地の出荷先の呼び名で発送をするなど、出世魚ならではの逸話もあるようです。
栄養価も非常に豊富で、ビタミンB1、B2を始め、タウリン、DHA(ドコサへキサエン酸)とEPA(エイコサぺンタエン酸)が多く含まれており、悪玉コレステロールや中性脂肪の減少といった生活習慣病の予防効果もあります。
ただし、脂肪分が高いので胃腸の弱い方の食べすぎにはご注意ください。特に養殖ブリは、天然ブリより脂質が高くなっています。何しろブリという名前は、貝原益軒が「脂多き魚なり」と語ったことから「アブラ」が「ブラ」になり「ブリ」になったという説があるほどです。
ちょっと脂っこいな、と思ったら、余分な脂を落としながら野菜と一緒に食べられるぶりのしゃぶしゃぶがお勧めです。
※参考
環境省 http://www.env.go.jp/
公益財団法人 海洋生物環境研究所 http://www.kaiseiken.or.jp/
一般社団法人 氷見市観光協会 http://www.kitokitohimi.com/
全国漁業協同組合連合会 http://www.jf-net.ne.jp/
JA長野県 http://www.iijan.or.jp/oishii/
日本水産株式会社 http://www.nissui.co.jp/
株式会社マルイチ産商 http://www.maruichi.com/
ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑 http://www.zukan-bouz.com/
越中とやま食の王国 http://www.shoku-toyama.jp/
香川県ホームページ http://www.pref.kagawa.jp/
のっけからで恐縮ですが、あなたの平熱は何度ですか? 35℃台、36℃前半と答えた皆さん、残念ながら体が冷えてしまっています。
ある統計によれば、昭和30年前半の日本人の体温の平均は37℃前後だったとか。今体温が37℃近くあったら、微熱と言われますよね。
約60年の間に、暮らしや生活を取り巻く環境が大きくが変わったことが要因のひとつとされていますが、人間は体温が1℃低くなるだけで、代謝機能は最大20%、免疫力にいたっては30%もダウンしてしまうそうです。たかが1℃と侮れません。まさに冷えは万病のもとなのです。
そこで数年前から「温活(おんかつ)」が注目されるようになりました。温活とは、暮らしの中で工夫をし、意識して体を温める活動を言います。
例えば「衣」。シルクや発熱機能繊維といった、あったか素材を選びましょう。ぶあついセーター1枚よりも、薄手のものを重ね着するのがおすすめです。さらに冷気が入ってきやすい首・手首・足首をふさぎ、脂肪が多く冷えやすいおなかやお尻はしっかり温めてください。
「食」では、冷たい食べ物や飲み物を避け、汁ものや鍋料理などで体を中から温めましょう。生姜やねぎ、唐辛子などの薬味やスパイスも上手に活用してください。
食材には体を温めるものと冷やすものがあるので、できるだけ冷やす作用のある食材は避けましょう。
「住」部門では何といってもお風呂です。シャワーですませず、お湯につかることで血行が促進され、手足など体のすみずみまでめぐりが良くなります。手軽にできる足湯もおすすめです。入浴剤も活用しましょう。
最後に「動」です。車社会になり、60年前に比べて歩くことが少なくなっています。そのため運動不足になって筋力が低下しがちです。筋肉は熱を生み出しますから、ストレッチやウォーキング、体操などで体を動かしましょう。
温活は、ガンガン暖房を効かせた室内でこたつに入り、寒さ対策をすることではありません。冷えから体を守って体温を下げないこと、外からだけでなく中から体を温めること。それらを毎日の暮らしの中で継続していくことが大切です。
※参考
一般財団法人日本気象協会 http://www.jwa.or.jp/
株式会社ワコール http://www.wacoal.jp/
オムロン ヘルスケア株式会社 http://www.healthcare.omron.co.jp/
株式会社千趣会 http://www.bellemaison.jp/