かつて日本の全国各地に2〜3万もあったと言われる城。現在の都市の半数以上に城と城下町があったと言われています。城とは「敵を防ぐために築いた軍事的構造物」(広辞苑より)のこと。洋の東西を問わずこのような建造物があり、日本においてはもともとは柵や石垣のようなものを指しましたが、戦国時代以降は統治権力を示すことも兼ねて城に住むという、いわゆる城郭へと発展しました。
日本の城は、歴史的な見地からはもちろん、建築学の側面としても楽しめることから愛好家も多いのが特徴です。また、書籍や写真集に始まり、プラモデルやブロックまで販売されていて、いろいろな楽しみ方ができるのもファンが増える要因になっているようです。2012年からは「日本城検定」もあるということですから、その魅力にとりつかれている人口の多さがうかがわれますね。
城というといわゆる天守閣を想像しがちですが、すべての城にあるわけではありません。江戸時代末期にも天守閣のある城は200ほどしかありませんでしたが、現存しているのはわずか12城です。その他の「天守閣付きお城」は、復元されたり後の時代に付け足されたりしたのだとか。
さて、建築物として見ても大きな大きな城、現代のような建設機械のない時代に、いったいどのように築城したのでしょうか。例えば徳川幕府は、江戸城、名古屋城、大阪城を築城の際、全国の諸大名に命じて領民を動員し、石材などを運搬させたそうです。ちなみに大阪城を築城する時は、現在の貨幣価値に換算すると「日当2100円・食事付き」だったそうで、なかなか苛酷な労働条件です。
初夏の今ごろは緑も美しく、気持ちのよい季節です。城ももちろんですが、庭などの敷地は公園として整備されているところも多く、四季折々の草花や樹木を楽しむことができます。歴史好きな方だけでなく、歴史が苦手な方やすっかり忘れてしまった方も、連休を利用して近隣の城跡を調べたり、あるいは築城した武将に思いを馳せながら、城跡ウォーキングを楽しめることうけあいです。
日本に生息している野鳥は500種類以上とも言われます。年間を通してよく見かけるのはスズメとカラス、なかでも何かと話題になるのはカラスです。
日本にいる6種類ほどのカラスのうち、都市部にも生息しているのはハシボソガラスとハシブトガラスで、どちらも体長50cmを超す大きな鳥です。春先に巣づくりをし、5月の今頃は卵がかえってヒナが生まれ、今まさに子育ての真っ最中です。人への攻撃や威嚇が相次ぐのもこの時期で、これは成鳥がヒナを守ろうとするため、ふだんよりも神経質になっているためです。とはいえ、たまたま通行しただけでキックをお見舞いされたのでは、たまったものではありません。わたしたちもいたずらに刺激をせず、カラスの攻撃から身を守るようにしたいものです。
カラスの巣は大きな木や鉄塔、電柱など人間よりも高いところに作られるため、気付きにくいのですが、巣があることがわかったら迂回するなどして、巣のそばを避けてください。カラスが頭の近くまで飛んでくるというような威嚇行動が見られたら、巣がそばにあるので素早く立ち去りましょう。どうしても巣のそばを歩かなければならない時は、帽子や傘で防御し、静かに素早く通り過ぎましょう。
針金ハンガーなど人間の廃材を使って巣作りをしたり、「人の顔を識別して覚える知能がある」といわれるなど、頭のいいカラス。先ごろ国王夫妻が来日し、話題となったブータン王国の国鳥はカラスだそうです。守護神の化身と考えられ、王冠にもカラスがデザインされています。
また、公益財団法人日本サッカー協会のマークが「八咫烏(やたがらす)」なのもよく知られています。八咫とは大きくて長いという意味で、大きなカラスという意味になります。太陽の化身でもあり、3本の足を持ちます。古事記では、天照大神の命を受け神武天皇の先導をつとめたとされ、導きの神として信仰されています。
子を守る行動は、カラスに限らず、すべての動物に共通する本能のようなもの。カラスの襲撃も「七つの子」が巣離れするまでと考え、共存していきたいですね。
※参考:
日本野鳥の会 http://www.wbsj.org/
練馬区公式ホームページ http://www.city.nerima.tokyo.jp/
鎌倉市ホームページ http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/
ブータン政府観光局 http://www.travel-to-bhutan.jp/
熊野本宮大社 http://www.hongutaisha.jp/
さわやかな風に新緑がまぶしい季節になりました。これからの季節は、ダニにとっても活動しやすい環境になります。
ダニは世界中で1万種以上も確認されている生物です。小さい昆虫のように見えますが、足が8本あり、クモの仲間に分類されています。昆虫と違ってほとんどの種類に触覚も目もありません。
ダニは私たちの身の回りに生息していて、住宅内も例外ではありません。家の中に生息するダニの多くは体長0.1〜0.4ミリと肉眼では見えないチリダニ類。刺したり噛んだりしませんが、放置しておくとフンや死骸がアレルギーを引き起こす原因にもなります。家のほこり1gの中に1万匹以上のダニがいるとされ、まさに「見えない敵」といえます。
さらに近年の住宅は気密性が高いため、ダニにとっても棲みやすい理想的な環境になっています。ダニの繁殖条件である「高温多湿」「豊富なエサ」「潜り込める場所」の3点をつくらないように予防していくのが効果的です。まずは室内の風通しをよくし、寝具もこまめに洗濯・乾燥させましょう。掃除をして、食事の食べこぼしやフケ、カビを取り除くのも大切です。布製のソファーやぬいぐるみも掃除機で吸引したり日光にあてるなどし、ダニが好む環境をつくらないように心がけてください。
一方、こうした住宅内のダニとは別に、深刻な被害をもたらすダニもいます。春先に新聞やテレビで大きく報道されたダニによる感染症は「重症熱性血小板減少症候群」といい、野山に棲む体長約1cmの大型ダニである「マダニ」が媒介するウイルスに感染して発病します。2011年に世界で初めて確認され、日本国内でも2012年に初めての感染が報告されました。マダニは野山に生息し、5月頃から活動期に入るので、山歩きなどを楽しむ際は、肌を露出しないよう長袖・長ズボンを着用し、靴も完全に覆うものを履いて防虫剤を塗布するなどして予防しましょう。発生している国や地域に旅行される時も同様です。刺された時は、念のため医師の診察を受けることをおすすめします。
※参考:
国立感染症研究所 http://www.nih.go.jp/niid/ja/
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/
大日本除虫菊株式会社 http://www.kincho.co.jp/
千葉市ホームページ http://www.city.chiba.jp/
NHKオンライン http://www.nhk.or.jp/
一般社団法人日本旅行業協会 http://www.jata-net.or.jp/