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2025.04.01更新
 

“中継地点”から“目的地”へ。滞在の価値磨く、「SA/PA」の進化。
 

高速道路のほぼ50kmおきに設けられているのが「サービスエリア(SA)」、それよりも短い15km程度の間隔で設置されているのが「パーキングエリア(PA)」。かつては、ドライブ中のトイレ休憩や仮眠、給油など、必要に迫られて利用するイメージが強かったものですが、今や単に移動の途中にやむを得ず立ち寄る休憩スポットから、そこを目的地としてわざわざ足を運ぶ場所へと進化しています。

日本で初めての高速道路が開通した1963(昭和38)年に、SAの第1号が大津に誕生。その後、続々と日本中の高速道路にSA/PAが設置されていきます。
当時、高速道路やSA/PAの管理は「日本道路公団」が担っており、あくまで公的機関による公共サービスの一環という位置付けでした。しかし、2005年の民営化で、SA/PAは「ネクスコ(NEXCO)」という新組織の元、東日本・中日本・西日本に分割。これを機に、これまでの“均一サービス”の方針から一転。SA/PAごとに個性をアピールして魅力的な売り場づくりやレストランメニューの開発、設備の充実を図っていくことが求められるようになりました。

SA/PA同士が互いに競争するようになると、より個性を際立たせて話題を集め、集客を図ろうと“アピール合戦”が繰り広げられることになります。
その代表例が「鬼平江戸処」(東北道・羽生PA上り線)。『鬼平犯科帳』の舞台である江戸の町並みを再現した、ほぼテーマパークといえるPAです。物語にも登場する軍鶏(しゃも)鍋やうなぎ、くず餅などの屋台が軒を並べる「両国広小路」を模したショッピングゾーンなどがあり、まるでタイムトリップしたかのような気分が味わえます。
長時間運転の疲れをとってリフレッシュをと、コンビニジム「チョコザップ」(RIZAP)が高速道路にお目見え。その1号店が“東名・日本平PA上り線”に昨春オープンしました。着替えや靴の履き替えが不要で24時間営業。料金は都度払い制。
SA内に大型のカプセルトイ専門店を昨夏開業したのは、“山陽道・三木SA下り線”。その名も「ガシャポンバンダイオフィシャルショップ」。これまでも数台置くところはありましたが、162台もそろえたのはSA/PAで初の試み。
こちらも国内初。SAを基点に離着陸する「ヘリコプター遊覧プラン」の販売を始めたのは、“東北道・長者原SA上り線”。3分のお試しコースは、1人5000円から。
さらに、“上信越道・東部湯の丸SA下り線”には、全国初の24時間無人販売店舗が登場しました。

SA/PAが抱える喫緊の課題の一つは、大型車の駐車マス(白線で区切られた駐車スペース)不足です。ネクスコ3社は、2024年度、全国34カ所のSA/PAで約560台分の大型車マスを拡充しましたが、それでもまだ足りません。打開策として、夜間駐車の一部有料化や短時間(60分以内)限定駐車マスの増加などを検証中です。

高速道路とSA/PAが開業してから62年。旧日本道路公団が民営化されてから今年で丸20年。高速道路と足並みをそろえて発達・進化を遂げてきたSA/PAは、現在880カ所を超えるほどに成長。これからも、“街ナカ”“駅ナカ”などと同様、“道ナカ”としての役割、存在感をますます大きくしていくに違いありません。

※参考:
国土交通省            https://www.mlit.go.jp/
東日本高速道路(ネクスコ東日本)  https://www.e-nexco.co.jp/
中日本高速道路(ネクスコ中日本)  https://www.c-nexco.co.jp/
西日本高速道路(ネクスコ西日本)  https://www.w-nexco.co.jp/
日経МJ(2024年11月27日付)


今や生活必需品に? 「ポータブル電源」、使い道広がって市場も拡大。
 

キャンプなど、アウトドア愛好家の間では手軽に電源が取れると人気の「ポータブル電源」が、日常の暮らしの中へ入り込んできました。家電のプラグをポータブル電源の出力ポートに挿すだけで、電源のない場所でも家電製品を作動させたり充電できる、持ち運び可能な小型蓄電池、それがポータブル電源です。日本国内でまだ日が浅い新ジャンルながら、ここ3年の間に市場規模が右肩上がりで拡大。
伸長要因は二つあります。一つは、やはり災害時の非常電源(電力備蓄)ニーズ。東日本大震災翌年の2012年に、家庭用蓄電池の導入を支援する補助金制度が導入されたのを機に市場が動きだしました。特に、昨年1月に発生した能登地震の直後にはポータブル電源の注目度が一気に上昇。個人ユーザーに加えて、企業・自治体などからの問い合わせが急増しました。
もう一つが、節電効果。夜間の、電気料金が安い時間帯に充電しておき、昼間は蓄えたポータブル電源から家電製品へ給電を行うことで電気料金の削減が期待できます。その流れから、家電量販店ではソーラーパネルとポータブル電源とのセット買いが増加。また東京都は、今年から戸建て住宅を含む新築建物に太陽光パネルの設置を義務付けることになり、ここでもポータブル電源市場拡大の追い風に。

ポータブル電源市場は、中国のメーカーが圧倒的なシェアで世界をリード。日本国内でも、中国の[EcoFlow(エコフロー)]と、米国生まれ・中国育ちの[Jackery(ジャクリ)]が2強。エコフローは昨年、対前年比3割増で、売れ筋は10万円台の製品ですが、80万円台の大容量タイプも発売。一般家庭10日分の電力に相当する電気が蓄えられるパワーが売り。
2016年に世界初となるアウトドア用のポータブル電源を発売するなど、早い時期から日本市場で展開しているジャクリは、コンパクト性や使い勝手の良さに加え、ファン稼働時も図書館並みの静音性が特徴。
国内勢では、[JVCケンウッド]や[山善][ヨシノパワージャパン]などが参入。

これまでポータブル電源の購入者は、アウトドアレジャーを目的とした30〜50代の男性が中心でしたが、最近では、女性やシニア層の購買が増加。エコフローが昨秋、テレビショッピングにポータブル電源を出品したところ、30分ほどで予定数を完売したといいます。番組の特性と思われますが、購入者の大部分が女性でした。
電気を使うなら、貯めてから使う-----さらなる普及のためには、停電の時だけではなく、平時でも使ってもらうことが重要、とメーカーは考えます。平均価格が約9万円と、決して安い買い物ではないからこそ、使用シーンに合った最適な製品を選びたいものです。

※参考:
内閣府                  https://www.cao.go.jp/
エコフロー・テクノロジー・ジャパン    https://www.ecoflow.com/jp/
ジャクリジャパン             https://www.jackery.jp/
日本経済新聞電子版(2024年10月1日付)
日経МJ(2024年4月19日付/同11月8日付/同12月11日付)


平時にも、災害時にも。運べる宿泊施設、「コンテナホテル」に注目。
 

コンテナを並べたホテル=「コンテナホテル」が、日本各地に続々と出現しています。“コンテナ”といっても、輸送用のコンテナを居住用に改造して再利用するわけではありません。地面に設置することを前提に、サイズや内装など規格化されたコンテナを工場生産し、現地で組み立てる方式(モジュール建築)の“建築用コンテナ”を用います。
ここでは、コンテナホテル業界の代表格として市場をけん引している大手メーカー[デベロップ](千葉)のケースを例に、コンテナホテルの現状を紹介していくことにします。
2018年、栃木県に最初のコンテナホテルをオープンして以来、同社は「HOTEL R9 The Yard」(ホテル アールナイン ザ ヤード、以下:R9)のブランドで全国展開しており、2024年時点で93拠点、3290室に達しています。
R9の戦略は、従来のビジネスホテル(以下:ビジホ)とは一線を画した“逆張り戦略”。狙うのは、ビジホの好立地といわれてきた“街ナカ”“駅チカ”を避け、大手チェーンが出店していない郊外のロードサイドなどの空白地帯で、その9割が交通量の多い幹線道路沿い。
メインターゲットを“ビジネスで車を使う宿泊者”に据えており、高速インターの近くや工業団地そばといった、車でのアクセスが活発な場所がR9にとっての好立地となります。昨年、前橋に開業した同社の新拠点「R9 前橋」の場合、工業団地から車で10分ほどに位置し、約2000平方メートルの敷地に37個のコンテナが客室として並びます。フロント機能を持つコンテナ以外、ロビーやレストラン、大浴場といったビジホでお馴染みの付帯設備はありません。と聞くと、無機質で殺風景な印象を受けますが、客室(13平方メートル)の基本的設備は一般的なビジホに引けを取らない充実ぶり。全客室にユニットバスはもちろん、冷凍庫付き冷蔵庫に電子レンジ、空気清浄機が。約8割の客室にはマッサージチェアが完備。客室のタイプは、ダブルベッドの“ダブルルーム”とシングルベッド2台の“ツインルーム”の2種。ベッドは、「ペニンシュラ」や「帝国ホテル」などと同じ「シモンズ」を採用。このクラスのホテルに、このクオリティーは珍しいとのこと。ちなみに、レストラン設備を設けていないため、徒歩5分圏内にコンビニがあることもR9の重要な立地条件となっています。客室ごと独立したコンテナのため、室内の静粛性とプライバシー性の高さが最大のメリット。宿泊料金は、どちらのタイプも1泊1人6200円から。開業1年を経過した「R9前橋」の客室稼働率は80%、リピート率は40%以上と高水準をキープ。同社は現在のところ、全拠点の3割強が茨城・栃木・群馬の北関東3県に集中していますが、2030年までに200拠点、1万室を目指しています。

コンテナホテルの強みはまだあります。トレーラー(台車)に乗せてけん引するという移動のしやすさを生かして、災害時の避難所や被災地の仮設住宅、ボランティアらの宿泊所、診察室などとして活用。同社は「レスキューホテル」として、35都府県、155の自治体と災害協定を締結しています。コロナ禍の折りには、東京や九州までPCR検査施設として出動した実績が。
国内のみならず海外からも熱視線が送られているコンテナホテル。その可能性は計り知れません。

※参考:
デベロップ           https://www.dvlp.jp/
経済産業省           https://www.meti.go.jp/
日経МJ(2024年12月27日付)


 
 
 
 
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