金融・お金の情報
2024.10.01更新
 

子どもの頃からお金の勉強、やっと日本でも。
 

『10歳までに身につけたい----子どもが一生困らないお金のルール』『6歳から身につけたいマネー知識 子どものお金相談室』etc.今、書店には子ども向けの“経済本”が花盛り。それは、我が子に早いうちから“お金のこと”を学ばせたいと願う親御さんが増えていることの表れでもあります。
金融教育先進国の米国では、小学校低学年からお金の教育が行われています。日本でもやっと2022年から高校で“資産形成”の授業が取り入れられたという段階。私たちが一生お金とは無縁ではいられないはずなのに、その大切なお金について基本的な金融知識、いわゆる“お金のリテラシー”を学校ではきちんと具体的に教えてくれませんでした。とはいえ、家庭で両親がお金のことを教えるのは至難の業です。なぜなら、教える側のパパもママも、これまで“お金の教育”を受ける機会が乏しかったからです。

ある運営者が提供している教室では、年齢に合わせた体験型のコンテンツを数多くそろえ、全国で親子参加型イベントを展開しています。4〜8歳向けの「おかいもの大作戦!」や4〜10歳向けの「おみせやさんごっこ」などがあり、基本的には無料で参加できますが、場合によっては有料の場合もあります。
また、別の運営者が掲げる「親子で一緒にお金と仕事を考える」というテーマのマネー教室では、幼児向けにはお金の大切さ、小学生向けには働くことを通じてお金を得ることや貯蓄の大切さを教えています。これまでに全国の学校や自治体などから招かれ、2000件以上の講座を開催しています。
さらに、通年で運営されているプログラムもあります。このプログラムでは、24種の業界の仕事内容を知り、進路イメージを明確にする“キャリアコース”、経営者的な目線でお金の稼ぎ方・使い方を学ぶ“経済コース”、生活とお金を結び付けて考えられるような金融知識の基盤を築く“金融コース”の3つのコースを、それぞれ1年かけて体系的に学ぶことができます。

“パパのお給料って、いくらなの?”“株で損をするって、どういうこと?”……子どもからお金の質問がきたら、どう答えますか? お金のことを学ぶことは、国語や歴史を勉強するのと同じこと。お金の仕組みを知ることは世の中の仕組みを知ることでもあり、将来を生き抜くための基礎となるスキルともいえます。我が子を“お金オンチ”にしない-----それは、親の最大の願いであり、学ぶ機会は親からの最良のプレゼントでもあるはず。
政府は、金融教育を受ける人の割合を2028年度末をめどに、現状の7%から20%に増やすとの方針を掲げています。

※参考:
金融庁             https://www.fsa.go.jp/
日経МJ(2024年5月8日付)


牛乳が苦手な人も飲めるように。今年は、「A2牛乳」元年。
 

牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする(乳糖不耐症状)という人に朗報です。それは、「A2牛乳(A2ミルク)」と呼ばれる牛乳の登場です。
ゴロゴロの要因とされるのが、牛乳に含まれているたんぱく質の“ベータカゼイン”で、これは乳牛の遺伝子によって“A1型”と“A2型”に分かれます。現在、店頭に並ぶ牛乳の多くは、“A1型のみ”もしくは“2種が混在”している生乳が原料となっており、そのため人によっては、この“A1型”を含んだ牛乳を飲んだ後に胃腸機能に影響を及ぼすことがあるとみられています。
「A2牛乳」は、“A1型”を一切含まない、“A2型”のベータカゼインのみから成る牛乳です。乳糖不耐症や牛乳過敏症に伴う不快な症状を軽減する上に、カルシウム、ビタミンD、リン、カリウムなどの必須栄養素を豊富に含んでおり、心臓病や免疫反応障害、神経障害などの発症リスクを抑える働きがあります。

2020年、A2牛乳の普及を目指して酪農家や乳業メーカーなど25社による「日本A2ミルク協会」が発足。牛の個体の遺伝子検査の実施や搾った生乳の仕分け管理(A1型の生乳が混入していないか)などの徹底を図ります。今年3月、認証制度の正式運用のスタートと同時に、認証条件の品質基準を満たした第1号の商品「日本A2協会牛乳」が発売されました。200mlで162円、1000mlで389円(共に税込)と、一般的な商品の1.5倍と高価な設定となっています。その背景には、日本の酪農を取り巻く窮状があります。酪農家の85%が赤字経営を余儀なくされ、60%近くが離農を考えざるを得ないという厳しい現状(中央酪農会議)。そんな中、A2牛乳は、その希少性と機能性を武器に、従来の牛乳の流通体制ではかなわなかった価格転換が可能になると期待されています。つまり、酪農業界における収益構造を大きく改善でき得る商品としての役割を、A2牛乳は担っているといえます。

A2牛乳は、成分的に母乳に似ているといわれます。母乳にはA2型のたんぱく質が含まれているからです。そのため、乳幼児用の粉ミルクやベビーフードにはA2牛乳が使用されることが多いようです。その他、ホテル、レストラン、ベーカリーなどの調理に。さらにローションやシャンプーなどの化粧品やスキンケア製品への使用頻度も高まっています。

2003年、ニュージーランドで生まれたA2牛乳は近年、世界的な健康意識の高まりを追い風に、豪州、中国、インド、米国、欧州各国へと広がりを見せています。
消化に優しいだけでなく、環境に配慮した方法で生産されているA2牛乳。消費者の嗜好が、ナチュラル、オーガニック、エシカル(人や社会、環境に配慮した消費行動)な選択肢へと進化するなか、全国的に見ると、まだ、ほとんど流通していないのにもかかわらず、『日経トレンディ』の「2024年ヒット予測ベスト10」に選出されるほどA2牛乳への注目度は高まっています。
健康や地球にとってより良いと思われる商品には、少しばかり割高な対価を払うことは厭(いと)わないという昨今の消費傾向が、A2牛乳にも反映されるでしょうか、注目です。

※参考:
(一社)日本A2ミルク協会    https://www.japan-a2milk-association.or.jp/
(一社)中央酪農会議      https://www.dairy.co.jp/
朝日新聞(2024年2月3日付)
日本農業新聞 電子版(2024年6月18日付)
日経МJ(2024年7月8日付)


地方の、鉄道と人を元気に! 日本中を「観光列車」でおもてなし。
 

「観光列車」の根強い人気は衰えることなく、今や国内のみならず海外からも観光列車を目当てに来日する人もいるほど。
観光列車とは、単なる旅行の移動手段としてではなく、その車両に乗ること自体が旅行の目的となるような“一点もの”の特別列車のこと。けん引したのは、JRや地方の私鉄・第3セクター鉄道で、新しい需要を創出するため、列車そのものを観光コンテンツとする試みが各地でみられるようになりました。

ここ数年沸き起こっている観光列車ブームに先鞭をつけたのは[JR九州]でした。デザイナーの水戸岡鋭治を起用し、最初の観光列車「アクアエクスプレス」(博多〜西戸崎)を運行したのが1988年。海が見えやすいように斜めにシートを配置するなどユニークなデザインが話題に。その後も、1992年に「つばめ」(博多〜西鹿児島)、1999年に「ゆふいんの森」(由布院〜大分)と、JR九州と水戸岡のタッグが次々と新車両を発表。これまでタブーとされてきた、木・ガラス・革といった天然素材を多用したり、間接照明を採用するなど斬新なアイデアを列車のデザインに吹き込み、国内外で数々の鉄道のデザイン賞を受賞。やがてその流れが、2013年、観光列車の集大成、そしてJR九州と水戸岡の真骨頂ともいうべき豪華寝台列車「ななつ星in九州」へと結実するのです。1泊2日九州周遊コース2名1室で65〜90万円、3泊4日霧島コース2名1室で125〜170万円、ドレスコードあり。

観光列車の果たすべき使命は、沿線地域の活性化と地域の広告塔として観光需要の取り込みにありますが、それにも増して重要かつ切実な使命が課せられています。それは、赤字経営に悩まされている地方鉄道の貴重な財源として、収益性向上の役割です。鉄道事業の収益が、地域人口の多寡によって左右されるのはいたしかたないこと。大都市圏を抱える、JR東日本・JR東海・JR西日本の3社と比べると、明らかに分が悪いJR北海道・JR四国・JR九州の3社ですが、そんな不利な状況からなんとか抜け出そうと、JR九州は全国に先駆けて魅力的な観光列車を次々と世に送り出し、その後に続く観光列車群に多大な影響を及ぼすと同時に、地方鉄道事業者たちに勇気を与えることとなりました。
経営不振などから、全道を巡る本格的な観光列車が生まれなかった[JR北海道]でしたが、ついに2026年、待望の豪華観光列車(「赤い星」と「青い星」)が誕生することに。デザインは、水戸岡鋭治が手掛けます。

※参考:
日本観光学会          https://www.kankoga.or.jp/
JR九州             https://www.jrkyushu.co.jp/
JR北海道            https://www.jrhokkaido.co.jp/
朝日新聞(2024年4月18日付)


 
 
 
 
キーストーンコンサルティング株式会社 〒802-0001 福岡県北九州市小倉北区浅野1-2-39 4F TEL 093-551-6325 FAX 093-551-6326保険相談・教育費積立相談・経営コンサルティング対応エリアは全国です 東京、大阪、名古屋、をはじめ 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県 香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県