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2017.02.01更新
 

学習塾を脅かす存在に。いまどきの“ヤル気”を育てる「オンライン学習」
 

文科省が2020年までに生徒一人に一台の端末(タブレット)を配布することを目標決定したこともあって、近年、インターネットを使ったオンライン学習「eラーニング」の市場が一段と盛況です。

学習サービスの方法は、専用タブレットを無償で配布する形態と、利用者の所有する端末に専用アプリをインストールして利用する形態があります。

小学生〜高校生を対象とした[リクルート]の「スタディサプリ」が会員数を伸ばし続けています(25万人/2016年)。人気カリスマ講師の講義動画やテキストが配信され、月額980円(税別)。

大学受験生の二人に一人が利用しているといわれる、人気“オンライン塾”です。生徒各人の学習データをAIで分析し、苦手分野を見つけ出して最適な指導で克服。同時に「スタディサプリfor TEACHERS」という教師向け管理システムも用意。データをもとに、電子カルテのように生徒の学習指導と進路指導を一体としたサービスも行っています。

[学研]の「学研ゼミ」は、幼児から中学生までを対象に、1コンテンツ月額500円(税別)。クラスごとの勉強ドリルのほか、新聞、百科事典、電子書籍が定額読み放題の図書ライブラリーなど、幅広いラインアップが特徴。

ほかにも、[Z会]が運営する「iPadスタイル」(高校生対象)。全国の公立小学校の約8割に導入されているという[ジャストシステム]の「スマイルゼミ」(小・中学生対象)。[ベネッセコーポレーション/進研ゼミ]の「チャレンジタッチ」(小1〜5対象)。

関西の受験塾の名門「浜学園」による講義映像を提供している[小学館グループ]の「テレビドラゼミ」(小学生対象)。ソーシャルゲームで培った技術力やノウハウを最大限に活かした専用アプリをインストールして利用する[DeNA]の「アプリゼミ」(小1対象)等々、ネット上のeラーニングの数は枚挙にいとまがありません。

一方で、これまで教育産業をリードしてきた学習塾・予備校市場は、加速する少子化、浪人生の減少、個別指導形態による人件費の高騰などによって運営コストは年々増加。そこに襲ってきたeラーニングの台頭で、少しずつパイが奪われ、さらに経営がひっ迫。しかし、この流れの中で、興味深い現象が起こっています。

それは、塾や予備校が“映像授業”というオンライン学習のコンテンツを積極的に導入・活用し始めたことです。互いが敵対して闘うのではなく、共闘する。いわば、オンラインとオフラインのコラボです。コンテンツの差別化や収益性などを含め、eラーニングの形態は、まだまだ進化を遂げそうです。


※参考:
文部科学省               http://www.mext.go.jp/
リクルートマーケティングパートナーズ  http://www.recruit-mp.co.jp/
学研教育アイ・シー・ティー       http://gakken-ict.co.jp/
Z会                   http://www.zkai.co.jp/
ジャストシステム            http://www.justsystems.com/jp/
ベネッセコーポレーション        http://sho.benesse.co.jp/
小学館グループ             http://www.shopro.co.jp/
DeNA                  https://www.applizemi.com/

日経産業新聞(2016年10月13日付)


高級感も健康も。見直される「チョコレート」の魅力
 

国内のチョコレート市場には、いま二つの大きな潮流があります。

その一つは、“健康志向化”の波。チョコの原料であるカカオには、ミネラルやビタミン、食物繊維が豊富なうえ、動脈硬化、脳梗塞などの予防効果が期待される“カカオポリフェノール”、さらに難消化性たんぱく質の“カカオプロテイン”などが含まれています。

とはいえ、どのチョコを食べてもヘルシーというわけではありません。カカオ分が70%以上の苦みの強い“ハイカカオチョコレート”といわれる種類が対象となります。

チョコで国内シェア首位の[明治]は、ハイカカオの「チョコレート効果」をシリーズで展開。カカオ分72%、86%、95%の3種類に、昨年「72%素焼きクラッシュアーモンド」と「72%オレンジ&大豆パフ」がエントリー。2014年度に50億円だった同商品の売上高は、16年度には100億円に届こうかという勢いです。

[グリコ]は、チョコで初めて“機能性表示食品”と銘打って挑みます。昨春、難消化デキストリン(脂肪と糖の吸収を抑える食物繊維)を加えた「LIBERA(リベラ)」を発売。秋には、すでに商品化しているチョコ「GABA(ギャバ)」を、リラックス効果が期待できる機能性表示食品としてリニューアル発売しました。

[ロッテ]は2015年、乳酸菌入りのチョコ「スイーツデイズ乳酸菌ショコラ」を発売。整腸作用がある乳酸菌をチョコで包むことで腸に届きやすくなるとして話題を集め、ヒット商品となりました。

[森永]からは、「カレ・ド・ショコラ<カカオ70>」シリーズに「カカオ88」と「カカオ70×くるみ」「カカオ70×ざくろ」がラインアップ。さらに、ビフィズス菌入りの商品も加わりました。

各商品、価格は100円台〜300円台(税込)前後。

もう一つのトレンドは、チョコの“高級化”です。パティシエなどがつくる高額なブランドチョコと、低価格の一般的なチョコとの中間に位置する“チョイ高チョコ”の価格ゾーン。

例えば「明治 ザ・チョコレート」シリーズ(全6種/税込240円前後)。専門店以外では初めて“Bean to Bar”という、カカオ豆の産地選びから製品に加工するまでの全工程を一貫して行うシステムを実現。世界的なコンテストで優秀賞などを受賞しました。

かつて、肥満や虫歯の元といわれて“警戒”されていたのは、今は昔。特に、好調市場をけん引する“健康志向チョコ”は、今後、単なるブームで終わることなく、一つのカテゴリーとして確立、定着していくと思われます。


※参考:
明治       http://www.meiji.co.jp/
江崎グリコ    https://www.glico.com/jp/
ロッテ      http://www.lotte.co.jp/
森永製菓     http://www.morinaga.co.jp/
全日本菓子協会  http://www.eokashi.net/

朝日新聞(2016年8月20日付)
日経MJ(2016年10月7日付)



増えてます、外食のお相手は“自分”。夜の「一人めし」が、至福の時間
 

いまや、さまざまな分野で一人客のための“ぼっちサービス”が充実し、空前の「お一人様」ブームが訪れています。いえ、すでにブームを通り越して当たり前の風潮になってきた感すらあります。

なかでも、人気漫画『孤独のグルメ』の主人公さながらに、いま20〜30代男女の外食店での「一人めし」、それも「一人夜めし」が広がっています。

といっても、ファストフード店やラーメン店、牛丼チェーンといった場所ではなく、赤ちょうちんや居酒屋、あるいはビストロやスタンディングバーなど、料理だけでなく雰囲気も味わえる店で、誰に気がねすることなく、好きな料理を好きなだけ自分のペースで食べながら、自分に“お疲れさま”と乾杯。

友人を誘う面倒さも、同僚と一緒の気遣いも、相手のペースに合わせるしんどさも不要です。そこには、“周りの目が気になる”とか“友達がいないと思われる”といった抵抗感を超えた、一人で過ごす時間を満喫する充実感があります。孤独な“ぼっち”ではなく、ポジティブに一人を楽しむ、まさに“ソロ充”ともいえる時間です。

ある調査によると、2015年度の“一人夜めし”の外食単価は1211円と、対前年比で12%増。相手別でみると、“家族・友人”に次ぐ3位が“自分”で、伸び率は最大。年々増える傾向にあります。

一人夜めしブームに拍車をかけているのが、スマホとSNSの存在です。スマホで検索して話題のお店を開拓し、食べた料理の写真を友人とシェア。他者と緩くつながり、共感し合えるSNSのおかげで“ぼっち感”が薄れ、“一人”=“寂しい”というイメージを大きく変えました。

そんな背景があっても、男性の4割、女性の6割が一人で外食することに抵抗があるとのこと。そこで外食各社は、不安を払拭して一人でも入りやすい店づくりに知恵を絞ります。

例えば、しゃぶしゃぶ専門店では楕円形のカウンターに一人ずつの銅鍋を並べ、向かい合う客との距離は3m以上確保して強い視線を感じないように配慮。

また老舗和食店では、これまでなかった一人用メニューを新たに設けて対応するなど、一人客市場に埋もれているビジネスチャンスの掘り起こしに懸命です。

一人を味わう----いま、新たな日本の食文化として市民権を得ようとしています。

最後に“一人夜めし”派の方々にご忠告を。話し相手がいないので、ついつい食べるスピードが速くなってしまいがちです。血糖値の上昇にはくれぐれもお気をつけて。


※参考:
日経MJ(2016年10月14日付/同12月14日付)


 
 
 
 
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