金融・お金の情報
2015.05.01更新
 

いつも一緒にいたいから! 拡大する「ペット同伴」市場。
 

一人暮らしや高齢世帯の増加、少子化の進行などに伴い、犬や猫などのペットは飼い主にとって家族の一員、“コンパニオン・アニマル(伴侶動物)”という考え方が定着しました。それに伴い、飼い主はいっそうペットにお金と手間をかけるようになり、関連ビジネスのすそ野は着実に広がりを見せています。

ペット用美容室やペットホテル、ドッグカフェ、ペットシッターなど、新たなサービスが続々と登場する中、“ペットと焼肉”という珍しい組み合わせで話題になっているのが、[肉菜工房うしすけ](東京)。同伴できるのはテラス席限定で、ペット同士が騒ぐのを防ぐためシート間の仕切りを高く設定し、シートマットも常備。ロース肉の「ワンすけプレート」1,296円など、専用メニューも充実しています。

アパレルショップにドッグカフェを併設した[ドッグデプト+カフェ 湘南江ノ島店](神奈川)の売りは、ペットとのペアルック商品。専用のドッグメニューの他、店内のルーフテラスにはドッグランも併設されています(2時間1匹1,080円)。

挙式時に、ペットを同伴できるサービスを行っているホテルや結婚式場も増えています。[ホテルニューオウミ](滋賀)では、ペットと家族そろっての記念撮影の他、結婚証明書に肉球で“捺印”する演出が大好評。

愛犬と一緒にコースを回れるゴルフ場も人気です。[鹿島の杜カントリー倶楽部](茨城)では、10年ほど前からペット同伴プレーを実施(リード付き)。

他にも、ペット同伴専用客室やドッグクローク、全天候型ドッグラン、ドッグカフェなどを完備したホテルや老舗温泉宿、各地のショッピングモール、遊園地などのレジャー施設や旅行プラン商品など、ペットと一緒に楽しめるサービスは広がっています。

ペットを飼えるマンションが急増し、室内で飼う世帯が増えたことが、ペット用品市場の拡大に拍車をかけました。

今後のキーワードは、ペットの高齢化です。2013年度の平均寿命は、犬が14.19歳、猫が15.01歳。人間の年齢に換算すると、小型犬なら72歳、大型犬なら93歳、猫は76歳に当たります(ペットフード協会)。犬猫用の歯ブラシに代表されるような高齢のペット用品の拡充。また、ペット向けの保険や老いたペットを介護する施設やサービスも登場しています。

※参考:
うしすけ               http://www.ushisuke.com/
ドッグデプト            http://www.dogdept.com/
ホテルニューオウミ        http://www.newomi.co.jp/
鹿島の杜カントリー倶楽部   http://www.kashimanomori.net/
(社)ペットフード協会       http://www.petfood.or.jp/
日経МJ(2015年2月16日付)


増えながら進化しています、「セルフレジ」。
 
1990年代前半に米国で登場した「セルフレジ(セルフチェックアウトシステム)」。バーコードスキャナーを備えた端末機に、客が購入する商品を読み取らせて清算するレジで、袋詰めまでのすべてを客自身が行います。日本では、2003年、[イオングループ]が先陣を切って導入。当初は、実証実験が目的で導入する小売業が大半だったため、順調に普及したとは言い難い状況でした。ところが、試験的導入が一巡してその効果が認識されると、スーパーをはじめドラッグストアやコンビニ、ホームセンターなどで「セルフレジ」の本格導入の動きが活発になってきました。

レジ要員の深刻な人手不足やパートタイマーの賃金高騰といった背景の中、「セルフレジ」導入のメリットとして一番に挙げられるのが、人件費の削減です。一般的な「セルフレジ」は、4台のカスタマーステーション(客が操作する端末)と1台のアテンダントステーション(客の操作を監視するための係員用端末)で構成されています。つまり4台のレジが1人のスタッフで対応可能になることで、オペレーションの効率化が図られます。そのことによって生まれた“時間”と“人”を、よりきめ細かなサポートなど、付加価値の高いお客様サービスに投入できるようになった点は大きな“セルフレジ効果”といえます。さらに、自社グループで発行する電子マネーの利用率が上昇する点も、小売店側の収益性向上に貢献します。

そして何より、レジ待ち時間を嫌う客や、購入した商品をレジスタッフに見られたくない客、2〜3点の少量買いをさっさと済ませたい客などへの新たなサービスの提供という側面でも大きなメリットをもたらします。

主な「セルフレジ」メーカーは、日本で初めて導入し、世界シェアトップの[NCR] をはじめ、[富士通][寺岡精工][NEC]など。最近の注目機種は「セミセルフ」方式といわれるシステムで、商品バーコードのスキャン業務だけを店員が行い、別の端末で支払い関係の一切を客自身が行うというもので、大幅な清算時間の短縮が図られます。さらには、もはやバーコードスキャン自体が不要なものや、レジ端末の内蔵カメラで商品の色や形を読み取って、価格などを自動的に入力する仕組みの“近未来レジ”も開発されています。

※参考:
イオングループ         http://www.aeon.co.jp/
日本NCR            http://www.ncr.co.jp/
富士通              http://jp.fujitsu.com/
寺岡精工            https://www.teraokaseiko.com/
NEC               http://jpn.nec.com/
日経МJ(2015年2月6日付)


音楽市場の新たな収益源に。期待高まる、「ハイレゾ」。
 

レコードからCD、さらにはMP3へと変遷してきた音楽の複製文化の歴史は、“圧縮”の歴史だともいえます。

スタジオで収録された原音(マスター)はデータ量が多過ぎて、そのままではCDに収録することができません。そこで生まれたのが、音源データを圧縮して収録するという革新的技術でした。しかしそれは同時に、小さな音や繊細な高音域の音までカットしてしまうことになりました。

圧縮音源のアンチテーゼとして生まれたのが「ハイレゾ音源」です。High(高い)Resolution(解像度)な音源データのことです。どのくらい高解像度かというと、CDの3倍から6.5倍もの情報量が記録可能に。限りなく原音に近い音質で、CD音源では聴こえなかった楽器の音まで聴こえると驚きの声も。

ハイレゾの音を楽しむには、“ハイレゾ用の音源”と“ハイレゾ対応の再生機器”が必要となります。

ハイレゾ音源を手に入れるには、インターネットの配信専用サイトからダウンロードする方法が一般的です(1曲400円程度)。CDのようなディスク状のソフトは存在しません。「e-onkyo music」「mora」「HD-Music」「OTOTOY」など、数々の配信サイトが登場し、競合しています。

次に必要なのが、ハイレゾ対応機器です。[ソニー][JVCケンウッド][ヤマハ][パナソニック]などの音響メーカーから、携帯型音楽プレーヤーやアンプ、ヘッドホン、スピーカーといったハイレゾ音源再生のための製品が続々と発売されています。

最も簡単な楽しみ方は、音源を入手したら、パソコンにハイレゾ対応ヘッドホンを挿して聴くだけ。また、スマホでダウンロードして、ハイレゾ対応のオーディオに接続すればどこでもハイレゾ音質の音楽が楽しめます。

[日本オーディオ協会]は昨年6月、ハイレゾ対応機器に共通の「Hi-Res AUDIO」マークを付けることを制定して、ハイレゾ普及を後押ししています。また、ミュージシャン側からもハイレゾは歓迎ムードで、通常のCD発売と同時にハイレゾ用の音源も配信するといった動きが高まっています。

音響機器メーカー各社がハイレゾに力を注ぐ背景には、1998年をピークに歯止めがかからない音楽市場の縮小があります。音楽をより良い音で楽しみたいユーザーの要求と、市場を活性化させたいメーカー側の思惑とを合致させてくれた「ハイレゾ」。物ごころついた時から圧縮音楽に囲まれて育った若者がハイレゾ音源の素晴らしさに出合った時の“感動”こそが、低迷するマーケットの救世主になるのかもしれません。

※参考:
e-onkyo music          http://www.e-onkyo.com/
mora                http://mora.jp/
HD-Music             http://hd-music.info/
OTOTOY             http://ototoy.jp/
ソニー               http://www.sony.jp/
JVCケンウッド          http://www.jvckenwood.co.jp/
ヤマハ               http://jp.yamaha.com/
パナソニック           http://panasonic.co.jp/
(社)日本オーディオ協会    http://www.jas-audio.or.jp/
朝日新聞(2014年12月22日付)
日経産業新聞(2015年3月10日付)


 
 
 
 
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