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2014.07.01更新
 

オシャレなカフェ? いえ、今どきの「カーディーラー」です。
 

近ごろ、自動車のディーラーで“クルマ離れ”が進んでいるようです。このトレンドは、主に輸入車を取り扱う販売店に多く見られ、クルマとは関係なく、今や人気スポットにさえなりつつあります。

今年2月、東京・神宮前の「アウディフォーラム東京」の2Fにオープンしたのは、「アウディ・カフェ・CITABRIA(サイタブリア)」。“緑の中でのドライブシーン”をコンセプトに、広々とした空間、高い天井、大きな採光窓、中央に植栽が配された大型の木製長テーブル…ミシュラン星付きのレストランやバーなどを手掛ける「CITABRIA」プロデュースの大人のカフェは、コンサートや写真展などのイベントスペースとしても利用されています。

ショールームの機能を備え、試乗のサービスもありますが、奥にさりげなく置かれているクルマはあくまでもサブ的。中心は、1Fのカフェとグッズコーナー。そして2Fのフレンチレストランとバースペース。そんなカーディーラーが、東京・六本木の「メルセデス・ベンツ コネクション」、通称「メルコネ」です。店内にはクルマの価格やスペックなどの、お決まりのボード類がなく、その代わりに「ベンツ」のエンブレムをかたどった照明やウーピーパイなどがさりげなくブランドをアピール。昨年4月には大阪にも同タイプのショールームをオープン。さらに、今年3月に和歌山のイオンモールに出店。続いて5月には六本木・東京ミッドタウン内に「メルセデス・ミー」をオープンしました(2014年12月までの予定)。

「フィアットカフェ」(東京・青山)は、クルマのショールームにカフェを併設した最初のディーラーです。1Fにはフィアット・ミュージアム、バル、グッズ、そして展示車。2Fは、カフェ&レストランスペース。B1がアート、ミュージック、パフォーマンスなどのイベントスペースで構成。昨年、販売台数が過去最高を記録、女性ユーザーのめざましい“伸び”にも貢献しています。

実は、これほど本格的なカフェやレストランを備え、商品(クルマ)をスミに追いやる展開は、日本国内だけの企画。本国を含め、他国では行われていないジャパンオリジナルです。しかし、世界に先駆けた発想と成果に、本国でも大きな関心を寄せています。例えば「フィアット」では、この日本スタイルをミラノ、スペイン、香港などへ導入することを決定。また、「メルセデス」の本社でも、こういった日本での取り組みに大変高い評価を与えているということです。

※参考:
アウディフォーラム東京      http://www.audi.co.jp/
メルセデス・ベンツ コネクション  http://www.mercedes-benz-connection.com/
フィアットカフェ            http://fiatcaffe.jp/
日経МJ(2014年4月16日付/同5月2日付)


高齢者=粗食は、今は昔。肉大好きな「肉食シニア」、増加中。
 
高齢者といえば、油・塩分は控えて魚や野菜中心のあっさりした食事がカラダにいいといわれ、日本古来から続く“一汁一菜”の粗食こそ、健康で長生きの秘訣と相場が決まっていました。しかし時代は変わって21世紀の今。老人の粗食こそが、老化を速めてしまう要因といわれ始めています。
噛む力や飲み込む力の衰え、食が細くなる一方の高齢者は、つい粗食志向に陥りがち。そんな食生活が、低栄養の“新型栄養失調”を招くケースが少なくありません。
低栄養は老化を進めるだけでなく、認知症や脳卒中・心筋梗塞などの大きな要因といわれています。つまり、高齢者にとって怖いのは、肥満より低栄養といえます。
そこで最近、健康長寿を実現するための食材として見直されているのが「肉」。長い間、健康に悪い、メタボや肥満予防のために控えなさい、と悪玉の筆頭のように言われ続けてきた「肉食」ですが、今や60歳からは肉もしっかり食べましょうと奨励されるまでに逆転。
「肉」に含まれている良質なたんぱく質は、飽和脂肪酸が多く、エネルギーに転化されやすい特性があるため、骨と筋肉をつくるのに好都合。老化を遅らせるための、最も適した食材が「肉」というわけです。実際、100歳を超えて元気な人は、全員、高齢者の平均よりも「肉食」だったといいます。また、ある調査によると、60代の男性9割弱、女性8割弱が“肉料理好き”という結果が出ています。特に団塊の世代は、1980年代のグルメブームの主役であり、“食の楽しみ”を知っているベテラン揃い。量自体は減ってはきたものの、食材の質、栄養バランスなど、食へのこだわりが強く、「肉食」も抵抗感なく積極的に取り入れます。

とんかつ、すき焼き、焼肉、しゃぶしゃぶ、ビーフシチュー……現役バリバリのころは健康を気遣って「肉食」を控えてきた人たちも、シニアになったら、逆にカラダのためにと胸を張って「肉」を食べることができるようになるとは----。会社は退職しても社会はリタイアしない人たちの、新しい“肉食生活”に注目です。

※参考:
日経МJ(2014年4月25日付)


盛り上がる「ちょい飲み」市場で繰り広げられる、“居酒屋vsカフェ”の闘い。
 

仕事帰りのサラリーマンやシニア層を中心に、“軽く一杯”の「ちょい飲み」を楽しむ動きが広がっています。基本は、短時間&低料金。一人で1時間ほど飲んで1,000円程度で済むライトな宴。大人数で長時間の飲酒を好まない若者層にもウケています。

この動きを新たな商機と捉えてアルコール強化に乗り出したのが、これまで酒類とは無縁、あるいは少なくともアルコールメニューを前面に打ち出してはいなかったカフェやファストフードチェーンでした。
JR山手線・田町駅構内にある「R・ベッカーズ田町店」(ジェイアール東日本フードビジネス)は、昨秋、ハンバーガー店を“ちょい飲み仕様”に改装。朝・昼はカフェ、アフター5はバルと、二つの顔を持つ“二毛作”へと路線を変更。ビールやワイン、ハイボールにおつまみ(260円〜600円)で、サクッと駅で一杯の“エキノミスト”たちへアピールします。
今年3月には、「ケンタッキー・フライド・チキン」の新業態、ビールが飲める“大人ケンタッキー”が都内のオフィスビル内にオープンして話題になりました。各テーブルに設置されたタッチパネルでオーダーするとスタッフが席まで届けてくれるという、KFC初の試み。
そのほか、6種類のビールを揃え、おつまみも充実させた「ドトールコーヒーショップ羽田空港店」。ビールやワインも楽しめる「インスパイアード バイ スターバックス」の展開など。カフェチェーンは、客単価アップを狙った夜間での集客の武器として、また居酒屋からの顧客取り込みに積極的です。

片や、市場縮小で苦戦が続く居酒屋各社も、想定外の異業種参入をおとなしく看過しているわけではありません。
居酒屋大手[コロワイド]の「ちょい飲み」対応業態は、「ぶっちぎり酒場」。大半の料理が100円〜400円台。東京・大井町の店舗(80席)での平均月商は1,000万円に達するとのこと。今後5年で100店に増やす計画(現在16店)です。
[養老乃瀧]が展開する「一軒め酒場」は、徹底的なコスト削減を図り、通常の居酒屋のメニュー数が100品を超えるところを、麺類、ご飯もの、お通し、刺身のツマ、そして看板メニューともいえる焼き鳥まで、削りに削って40品に。ビール(中)340円、酎ハイ190円、枝豆150円といった“ちょい飲みプライス”にたどりつきました。

一人で気軽に、コーヒーを飲むようにお酒が飲みたい-----いわば、“ファスト居酒屋”ともいうべきポジショニングの「ちょい飲み」は、時代のニーズ。この市場の活況が、居酒屋にとって大きな脅威となることは確かなようです。

※参考:
ジェイアール東日本フードサービス  http://www.jefb.co.jp/
日本ケンタッキー・フライド・チキン   http://japan.kfc.co.jp/
ドトール・日レスホールディングス   http://www/doutor.co.jp/
スターバックスコーヒージャパン    http://www.starbucks.co.jp
コロワイド                  https://www.colowide.co.jp/
養老乃瀧                 http://www.yoronotaki.co.jp/
日経МJ(2014年4月7日付)


 
 
 
 
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