金融・お金の情報
2014.06.04更新
 

強力です。実店舗だけでも、ネットだけでもない、「オムニチャネル」販促。
 

2011年に米国で発表され、日本でも昨年末ごろから小売業界を中心に急速に広がり始めたのが「オムニチャネル」。一躍、今年の注目キーワードに浮上しそうな勢いです。「Omni=すべての/あらゆる」「Channel=販路」の意味で、実店舗を含む通販サイト、テレビ通販、カタログ通販、DMといった小売市場上のあらゆる販売チャネルをバリアフリー的に融合し、消費者が自分の都合に合わせて、いつでも、どこからでも商品やサービスが利用できる顧客主体のシステムのことです。ネットと実店舗の垣根を取っ払った、フラットで新しいショッピング環境といえます。そして、このシステムの拡大に、スマートフォンなど携帯端末の普及とSNS利用の広がりが大きく寄与しているのは言うまでもありません。

ウェブ上で注文して実店舗で受け取ったり、自宅に届けてもらったり、購入した商品が気に入らなければ実店舗で返品できたり、店頭に在庫がなければ、即オンラインで在庫の有無を確認して購入・配送できたり…。
「オムニチャネル」の特徴は、実店舗の販売員や配送担当者がモバイル端末を持つことで、サービス内容だけでなく、在庫状況や顧客情報の一元化・共有化が販売チャネルをまたがって融合される点です。販売チャネルごとで価格や在庫がバラバラ、提供されるサービスやサポートが異なる、顧客の情報がチャネル単位でしか把握されていないことなどが、「オムニチャネル」以前、つまり現在の大多数を占める小売りの現実であり、盲点でもあります。そんな、連携の希薄さを解消して、チャネル間の移動を容易にさせたのが「オムニチャネル」です。

ネット販売が実店舗を脅かすという概念は、もはや時代錯誤といえます。ネットを、実店舗の補完という位置付けではなく、実店舗を活用して顧客との接点を増やし、ネット専門企業にはできない、まったく新しいショッピングの価値を提供すること。つまり、実店舗を持っていることが強みになる時代がやって来たのです。
一社で、ネット店舗・実店舗・配送のすべてをまかなう小売企業は、その存在価値を増していくことでしょう。それはまた、多くのネット通販専門企業が窮地に立たされることを意味しています。すべての実店舗が、ネット購入の機能を持つことになるからです。「オムニチャネル」の浸透は、店舗ごとで売り上げを競う時代の終焉を意味しています。

[セブン&アイ・ホールディングス]をはじめ、[ヤマダ電機][ユナイテッドアローズ][ABCマート][資生堂][青山商事][パルコ][凸版印刷][富士通]など、大手各社は今年“オムニ元年”と捉え、3年後には50兆円超が見込まれるというこの巨大市場の開拓に着々と乗り出しています。

※参考:
日経МJ(2014年3月3日付)
日経産業新聞(2014年3月13日付)


もはや立派な“観光資源”です。輝きを増す、「夜景ビジネス」。
 
人工衛星で観測される夜の地球では、日本がひときわ光り輝いて見えるといいます。夜をテーマに和歌を詠む、建築にみる月見台、数々の夜祭りや送り火…元来、他国に比べても、日本は“夜”に関する独自の鑑賞文化を古くから持っている国です。
そんなDNAを受け継ぎ、「夜景」を愛でるという“夜景観賞”を、ビジネスのシーズとして活用・展開する動きが広がっています。

「夜景」が現在のように注目されだしたのは、バブル崩壊後といわれています。お金をかけずに楽しめる、都会ならではの夜のスポットとして口コミレベルで広がると、マスコミにも取り上げられ、次第に地方へと波及していきました。自治体では、地域興しを目的に、地元ならではの「夜景」の存在をアピール。その価値を高めるため、鑑賞環境を整備し、より観光資源として磨きをかけます。

今日の“夜景ブーム”の生みの親ともいえるのが、一般社団法人[夜景観光コンベンション・ビューロー]。2004年から「日本夜景遺産事務局」を立ち上げ、その代表的な活動の一つが、「夜景サミット」の開催です。全国の夜景観光活性化に尽力する行政・民間企業が一堂に会する国内唯一の場として、2009年の東京を皮切りに(翌年も東京)、大阪、長崎、周南(山口県)と続き、昨年、初の海外開催が香港で行われました。2012年のサミットでは、「世界新三大夜景」として、モナコ・香港・長崎の三都市を認定。これまでの「世界三大夜景」(ナポリ・香港・函館)は、決定時期や決定者が曖昧だったため、新たに全国3,500人の“夜景観賞士”(同団体が行う検定試験の有資格者)へのアンケート結果を元に、再検証を行い、決定されたものです。ちなみに、「日本三大夜景」は、函館・神戸・長崎の三都市です。

「夜景」の商品化は、さらに発展します。
最近、近未来的でSFチックな工場群の夜景クルーズが大ヒット。2011年の「全国工場夜景サミット」で、北九州、室蘭、川崎、四日市が「四大工場夜景」として発表されました(2013年に周南市が加わって五大に)。このなんとも魅惑的な灯りが、実は夜景観賞のためにライトアップされたものではなく、プラントの安全を守る作業灯であるというリアルな“無骨さ”が、見る人にはたまらないようです。

デートスポットとして注目されてきた「夜景」の魅力も、昨今は世代や性別、国籍不問。ビジネスとしても、ホテル、旅行、観光、交通、展望施設から不動産、エンターテインメント施設など、さまざまな分野に広がりをみせています。特に、観光業界において、観光客を夜まで引き留めて泊まり客の増加を招くという“夜景パワー”は、地方経済への貢献度が大きいと言えます。
「夜景」の宝庫ニッポンの次なるステップとして、今後は海外から人を呼ぶためのナイトツーリズムのいっそうの充実が求められています。

※参考:
夜景観光コンベンション・ビューロー
http://www.yakei-cvb.or.jp/
工場夜景サミット
http://www.kojyoyakei.com/
朝日新聞(2013年11月16日付)


世界征服も夢じゃない? グローバル化が加速する、「ラーメン」。
 

日本の“国民食”ともいえる「ラーメン」が、いまや「RAMEN」として国境を越え、世界各国で華々しく“活躍”しています。

「ラーメン」のグローバル化はパリから始まったといっても過言ではないほど、ヨーロッパで「ラーメン」熱が最も高いのが、フランス。今年1月に開催された「パリ・ラーメンウィークZuzutto(ズズット)」も大変好評でした。
一方で、「ラーメン」を世界的にメジャーにしたのは、ニューヨークでのブームだったといわれています。1975年に初登場して以来、2005年に「山頭火」、2007年に「せたが屋」、2008年には「博多一風堂」といった、日本の有名店が続々と進出。特に「一風堂」の出店が、日本を代表する食文化として一気に世界中で注目されるきっかけとなったと同時に、“とんこつ”を「ラーメン」のスタンダードへと一変させてしまったのです。当時の「N.Yタイムズ」には、“わずか$13で飛ぶ、日本への旅”と紹介されました。常に行列ができるため、入口をバースタイルにし、軽くお酒を楽しみながらのウェイティングを演出しています。

世界で、日本に次ぐ「ラーメン」激戦区といえば、アメリカ西海岸エリアです。ロサンゼルスだけでも300軒は下らないといわれています。1988年に日本人オーナーによって創業された「ASAHI RAMEN」は、当初、日本からの駐在員ばかりでしたが、ある時期からアメリカ人の客が急増。その理由は、映画「たんぽぽ」の影響だったとか。
2011年にハリウッドで誕生した、アメリカ初のつけ麺(DIP RAMEN)店「IKEMEN HOLLYWOOD」。つけダレは、とんこつベースにバジル、松の実、オリーブオイル、ニンニク、チーズなどを使用。トッピングの具材は、チャーシューの他、ベビーリーフ、トマト、かつお節、マッシュルームと、“純国産”とはひと味違ってユニーク。メニュー名も、“ジョニーディップ”“ゴーストバスターディップ”“スパイダーメン”など、土地柄の遊び心いっぱい。2013年には、「新横浜ラーメン博物館」に出店し(2014年5月まで)、“日本へ逆輸入!”と話題になりました。

遅ればせながら、ロンドンにも「ラーメン」旋風が吹き始めました。日本でいうなら、新宿・歌舞伎町ともいうべきソーホー地区に、本格的なラーメン店が続々と産声を上げています。口コミやSNSを追い風に、新しもの好きのロンドンっ子たちが店の前に行列をつくっています。

“すする”という文化がない欧米に合わせて麺を短くしたり、スープの温度を下げたりと、進出国それぞれのお国柄に受け入れられやすいようにアレンジ。
 日本の食文化、究極のファストフードとしての「ラーメン」をもっと世界に広げようと、今年「ラーメン博物館」は、2024年までにヨーロッパに進出することを宣言しました。

※参考:
日本貿易振興会       https://www.jetro.go.jp/
新横浜ラーメン博物館   http://www.raumen.co.jp/
朝日新聞(2014年3月1日付)
神奈川新聞(2014年3月4日付)


 
 
 
 
キーストーンコンサルティング株式会社 〒802-0001 福岡県北九州市小倉北区浅野1-2-39 4F TEL 093-551-6325 FAX 093-551-6326保険相談・教育費積立相談・経営コンサルティング対応エリアは全国です 東京、大阪、名古屋、をはじめ 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県 香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県