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2014.05.01更新
 

コンビニより大きく、スーパーより小さい。「小型スーパー」、続々と。
 

国内のコンビニは、ついに、限界とされていた5万店を突破しました(「日本フランチャイズチェーン協会」)。この飽和気味の市場の中、コンビニ大手は収益性の高いPB商品の割合を増やすと共に、総菜や生鮮3品(青果・精肉・鮮魚)といった、主婦や高齢者など、これまで手薄だった層へ訴求する品揃えとシフト。“食品スーパー”としての顔を持ち始めました。
一方、売上高の減少傾向が続く総合スーパー(GMS)は、コンビニにはない品揃えをコンビニ感覚でと、小回りの利く小型店舗で反転攻勢を強めます。
つまり、コンビニとスーパー、双方から攻め合った結果、コンビニよりも広く、スーパーよりは狭い、「小型スーパー」が相次いで出現することとなりました。

2月にオープンした「ローソンマート」は、小型スーパー型コンビニの新業態として注目されています。生鮮コンビニ「ローソンストア100」(2005年〜)の進化型としての位置付けで、ATMや公共料金の支払い、チケット販売などにも対応し、コンビニ母体ならではの利便性で従来のスーパーとの違いをアピール。シニア層や働く女性、単身世帯をターゲットに、東名阪の3大都市圏で今年度末までに100店舗、3年で500店舗の出店を目指します。
片やスーパー側からは、[イオン]が小型食品スーパー「まいばすけっと」を東京、神奈川を中心に約500店舗で展開中。
[マルエツ]は、「マルエツプチ」を約55店舗で展開。コンビニにはない、スーパーならではの強みは“厨房”であると捉え、店内調理のための設備を設けて、“できたて”の提供にこだわります。中部が本拠地の[ユニーグループHD/99イチバ]も、首都圏に小型スーパー「miniピアゴ」で進出(約70店舗)。
また、2012年から実験的に小型店展開に取り組んできた[いなげや]も、今年1月、その完成型として小型スーパー「エスビィ」の3号店を、東京・清瀬市に出店。コンビニ色を前面に打ち出して展開しています。

近年、大都市を中心に見られるのが、商店街の衰退やGMSの撤退によって、生鮮食品などを買う場所が近所にないという現象。コンビニはありますが、生活者のニーズを満足させるには至りません。「小型スーパー」は、生鮮品を扱う身近な業態として、生活者に求められて登場しました。 地価が高くて採算が合わなかったGMSが、品数を絞り込みダウンサイズして都市部の出店に拍車をかければ、生鮮品の強化や低価格化など、スーパーのお株を奪う戦略で迎え撃つコンビニサイド。都市部を舞台にした、“コンビニ化するスーパー”vs“スーパー化するコンビニ”の陣取り合戦は、いっそう激しく火花を散らしそうです。

※参考:
日本フランチャイズチェーン協会   http://www.jfa-fc.or.jp/
ローソン                  http://www.lawson.co.jp/
イオン                   http://www.aeon.info/
マルエツ                  http://www.maruetsu.co.jp/
ユニーグループ・ホールディングス  http://www.99-ichiba.jp/
いなげや                 http://www.inageya.co.jp/
日経МJ(2014年2月19日付)


なんでもない日用品が、外国人観光客にとっては、価値ある「日本土産」です。
 
2003年。時の首相だった小泉さんは、観光立国“JAPAN”を実現するため、「ビジットジャパンキャンペーン」を掲げました。2010年までに、訪日外国人観光客、年間1,000万人を目指すというものでした。その掛け声から、ちょうど3年。震災の影響もあって実現が遅れたものの、昨年、ついに1,000万人の大台を突破しました。

これまで、「日本土産」の定番といえば、着物(和服)や扇子、手ぬぐいなどの伝統工芸品に炊飯器、清浄機などの家電製品、化粧品、カメラ、時計といったところが代表的でしたが、最近、外国人観光客の「日本土産」事情に変化が見られるようになり、まだガイドブックに載っていないような“隠れヒットアイテム”が続々と登場してきています。

断トツに人気なのが、「お菓子」類。中でも、チョコレートやクッキー、チョコ菓子に人気が集まっています。特にアジア諸国の観光客に絶大な人気で、空港の売店で長蛇の列を作り、5箱、10箱と菓子箱を抱えている光景も珍しくありません。旅行に行った証しとして土産を配る習慣があるからでしょうか。逆に、欧米からの観光客が、菓子箱を手にしている姿をあまり見かけないのは、国民性の違い?
同じくアジア系の観光客に人気なのは、「医薬品・サプリメント」。胃薬、目薬、使い捨てカイロ、熱さまシート、など。関連商品として、アブラ取り紙やルーペ付爪切り、耳かきなども好評です。
また、包丁などの「刃物類」や高機能「文房具」なども支持を集めています。3色、4色の多色ボールペンをはじめ、書いた文字を消せるペンなど、幅広い世代に人気です。
他には、「箸」「食品用ラップ」「寿司グッズ」(キーホルダー、Tシャツ、USBメモリーなど)「風鈴」など。若い世代には「キャラクターグッズ」も好評です。特に「ハローキティグッズ」。世界的に流行していますが、海外で売られているものには偽物が多いため、外国人観光客にとって、本場日本で手に入れる“本物のキティちゃん”に価値があるようです。

こうしてみると、日本を訪れる外国人たちが気に入って購入する「日本土産」は、実は私たちが普段、何気なく、当たり前のように使ったり食べたりしている“日用品”に他ならないということです。その品質の高さや、かゆいところに手の届くようなキメ細かな“つくり”が、彼らには“日本らしさ”として魅力的に映るようです。
10月には、これまで特定の品目が対象だった外国人旅行者の消費税免税が、すべての品目に拡大されます。日本人の私たちが気づかないような思わぬ商品が、「日本土産」にランクアップされるのは、楽しみでもあります。

※参考:
観光庁    https://www.mlit.go.jp/kankocho/
日経МJ(2014年2月10日付)


近い将来へ向かって走り始めた、「超小型電気自動車」。
 

昨年開催された「東京モーターショー」の目玉展示として注目を集めていたのが、超小型の電気自動車(EV)でした。国土交通省は、このクルマを、“コンパクトで環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1〜2人乗りの車両”と定義し、「超小型モビリティ」と総称しています。

通常のクルマより圧倒的に少ないエネルギー消費でCO2削減。地方都市や公共交通の便が悪い山間部の移動手段として。高齢者や児童の送迎などの近距離移動に。観光地での移動手段として地域の振興に貢献、などなど、「超小型EV」には数々のメリットがありますが、なんといっても最大の利点は、新しいカテゴリーの乗り物として、クルマ市場に新たな需要を創出することにあります。
政府は、次世代社会には不可欠な交通インフラとして積極的に導入促進を支援。昨年には、普及のハードルの一つとなっている道路交通法の規制を緩め、決められた公道に限って走行可能とする新たな認定制度をスタートさせました。

これらの動きに呼応するかたちで、国内の自動車メーカーは、本格的な実用化に向けた実証実験を全国各地で行っています。
[トヨタ]の1人乗り超小型EV「i-ROAD(アイロード)」は、車幅87cm。左右の車輪が上下し、バイクのように傾いて曲がるのが特徴です。最高速度は60km/hで、一回の充電(約3時間)で、約50km走行可能。今年3月には豊田市で実証実験が行われ、初めて公道を走りました。同車は引き続きフランスで、日本のEVメーカーでは初めて海外テストを行う予定。
[ホンダ]は、2人乗り超小型EV「MC-β」の実証実験を、昨秋から熊本、埼玉、沖縄などの自治体と協力して進行中。
また、横浜市では、[日産]の超小型EV「ニューモビリティコンセプト」を活用したカーシェアリングサービス“チョイモビ”を、昨秋から1年間の予定で実験をスタート。50台の車両が導入され、クルマの免許があれば1分20円で利用できるというもので、市内50ヵ所のステーションで乗り降り自由。

国交省は、各社が実施している実証実験の結果を見てから最終的な規格をつくろうというスタンスです。決まった規格に基づいてメーカーが車両を開発するという、欧州とは逆のプロセスを踏んで走り始めた国産の「超小型EV」。熱い視線が注がれる、この近未来のクルマたちが失速しないよう、行政とメーカーが一体となって大切に育っていってほしいものです。

※参考:
国土交通省    https://www.mlit.go.jp/
トヨタ自動車    http://toyota.jp/
本田技研工業   http://www.honda.co.jp/
日産自動車    http://www.nissan.co.jp/
日経産業新聞(2014年2月4日付)


 
 
 
 
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