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2014.01.06更新
 

約束された市場拡大。異業種参入歓迎の、「福祉機器」業界。
 

車いす、介護ベッド、入浴機器などの「福祉機器(福祉用具)」業界は、2000年の介護保険制度の発足以降、急速に発展し、次代の成長分野として大きな期待が寄せられています。その背景として、2つのポイントが挙げられます。一つは、世界に例を見ないほどのスピードで日本の高齢化が進んでいる点。団塊の世代が後期高齢者(75歳)となる2025年には、高齢者人口が約3,500万人に達するといわれ、今後、「福祉機器」に対するニーズが高まるのは、まぎれもない事実。市場の拡大が約束されていると言えます。もう一つは、活発な次世代「福祉機器」の技術開発競争です。それによって市場が活性化し、これまで“福祉”や“介護”とは無縁のメーカーが相次いで参入。その結果、より使いやすく、よりデザイン性に富み、そしてより低価格な「福祉機器」が続々と出回り始めました。

[大和ハウス工業]では、ヒューマンケア事業の一環として、歩行機能をサポートする「ロボットスーツHAL」や全自動の排泄処理ロボット「マインレット爽」など、“ロボット”技術を活用した数々の「福祉機器」を開発しています。

ホチキスでお馴染みの[マックス]からは、昨秋、四輪自転車の「クークルM」が発売されました。形状は三輪車なのですが、前の車軸には2つのタイヤが付いており、後輪の2つと合わせて“四輪車”というわけです。安定性の高さが売りで、車いす並みの安全基準をクリアしています。ステップの高さも、乗り降りしやすいよう、ノンストップバスと同じ27cmに設定。価格は、99,750円。

[ヤマハ発動機]は、車いすに後付けできる電動アシストユニット「JWX-2」を発売(34万3,350円〜43万500円)。電動アシスト自転車の技術を応用し、手動式車いすの車輪を、モーターを備えた駆動輪に付け替えるだけで電動化できるシステムです。“電動車いす”のパワーと、“手動車いす”の軽さ・機動性を併せ持つ「JWシリーズ」は、日本国内より海外への出荷台数が圧倒的に上回るということです。

電子基板を製造する[エムケー電子]が昨秋発売したのは、ワイヤレス・ボイスレシーバーシステム「みみもとホン クリア」(4万7,250円)という革新的な補聴器。ヘッドホン型の、耳に入れない集音器として注目されています。周辺の音を集めるマイクと、音を聞くレシーバーが別々になっており、話し手の近くに置いたマイクで拾った音声を、無線でレシーバーに送信する仕組みです。

お隣の韓国や中国をはじめ、ほとんどの先進国で高齢化は進み、社会問題となっています。もはや、「福祉機器」の市場は、日本にとどまらず、世界の“高齢者マーケット”へと広がる可能性を秘めています。

※参考:
大和ハウス工業          http://www.daiwahouse.co.jp/
マックス               http://www.max-ltd.co.jp/
ヤマハ発動機           http://www.yamaha-motor.co.jp/
エムケー電子           http://mimimotokun.jp/
日本福祉用具・生活支援用具協会  http://www.jaspa.gr.jp/
日経産業新聞(2013年10月23日付)


歓迎! おひとり様。ニーズにフィット、「ひとり参加限定ツアー」。
 
連れに気兼ねせず、気ままに旅行を楽しみたいと、いま、国内・海外を問わず「ひとり旅ツアー」を選ぶ人が増えています。

今回取り上げるのは、文字通り、ひとりきりで行動する“ひとり旅”や“おひとり様でも参加できます”といったものではなく、あくまでも“ひとり参加限定”が条件のパックツアーに絞ります。

ツアーでのひとり旅と聞くと、グループ客に交じって、ひとり寂しく参加するというイメージがありますが、「ひとり参加限定ツアー」なら、参加者全員が“おひとり様”単位なので、従来のパックツアーのような疎外感はありません。誰かと日程を調整する必要もなく、自分の予定で行きたい時に行けるのが最大の魅力。しかも(原則として)宿泊はひとり一室、バス席はひとり2席使用可。

このタイプのツアーの先駆け的存在なのが、[クラブツーリズム]。なにしろ、“お友達同士、ご夫婦での参加はご遠慮いただいております”という、徹底したポリシーを貫いているほど。参加者の構成比は、50代以上が8割、女性が7割ですが、最近は20〜40代の参加も増えているとか。同社では他にも、“ひとり”と“女性”をフューチャーした「女性限定ひとり旅」やワンランク上の「ひとり贅沢」といった企画商品も好評です。

[JTBワールドバケーションズ]では、昨秋、ブータンやネパールなど、人気が高い秘境エリアの「ひとり参加限定ツアー」商品、「ルックJTB eコレクション海外ひとり旅」を発売。今後もひとり旅向けの商品を充実させる計画です。

一方、“ひとり旅”人気の高まりとともに変わってきたのが、受け入れ側の宿泊施設。つい数年前まで、旅館のひとり客はワケあり客と見られたり、大人数で泊まってくれた方が利益につながるといって採算性の面からも敬遠されていました。しかし、大口の団体旅行などが激減したせいで、ひとり客を無視できなくなり、それどころか、今やリピート率の高さもあって、おひとり様は有望なお得意様として歓迎されるまでになっています。宿泊予約サイトの「一休」や「じゃらん」などでも、「旅館ひとり旅」「ひとり旅歓迎の宿に泊まろう」と、専用ページを展開しています。

今のところは中高年が参加者の中心となっている「ひとり参加限定ツアー」ですが、この旅のカタチは、“ひとりが好きだけど、ひとりぼっちはイヤ”という、近頃の若者にこそ、ぴったりフィットするのかもしれません。

※参考:
クラブツーリズム          http://www.club-t.com/
JTBワールドバケーションズ   http://www.jtb.co.jp/
一休                  http://www.ikyu.com/
じゃらん               http://www.jalan.net/
朝日新聞(2013年9月29日付)


アメリカ的生活のシンボル、「ドライブスルー」の日本流進化形。
 

1930年代にアメリカで生まれた“モータリゼーションの申し子”、「ドライブスルー」。車に乗ったまま商品や代金の受け渡しができると、雨の日や小さな子供連れには重宝なシステムです。日本で最初に導入されたのは、東京の「山本海苔店」といわれています。1965年のことでした。

飲食系を中心に発展してきた「ドライブスルー」ですが、ここ数年の間に、様々な変わり種が出現しています。

[ドライブスルーながくて(長久手)出張所](本店:大垣共立銀行/岐阜県)は、全国で初のドライブスルー型金融機関。車から降りずに、口座開設・各種届け出などの窓口業務(有人)や、振り込み・引き出しなどのATM業務を行うことができます。窓口は可動式で、車の大きさや停車位置に合わせて昇降・幅寄せして、窓口の方から近づいてきてくれます。プライバシーが気になる人は、専用の電話(PHS)を使って窓を閉めたままでの会話もOK。

免許所持率と女性の運転免許取得率が全国1位という“クルマ王国”群馬県。その前橋市郊外のショッピングセンター内に、世界初となるドライブスルー形式のメガネ店、[JINS(ジンズ)]がオープンしました。専用メニューの中から好みのメガネを選び、マイクで注文。車内で試着し、会計を済ませて、“度なし”の場合はその場で商品を受け取ります。“度付き”の場合は、度数情報を持参するか使用中のメガネを渡すと約30分で加工、指定された時間に再来店して受け取るという仕組みです。

また、車に乗ったまま受付に処方せんを提出し、車内で薬剤師の説明を聞いて薬を受け取ることができるドライブスルー調剤薬局[ナカジマ薬局]は、北海道を中心に展開中。

院内感染の防止を目的に、医療界では世界初のドライブスルー形式の受付を設けたのは、[杉村動物クリニック](兵庫県)。
店に入る抵抗感を払拭するためにドライブスルーを導入した質屋、[質ハラダ] (埼玉県)など。

[日本マクドナルド]は、ハンバーガー市場が低迷する中、ドライブスルーに活路を見出そうと、ドライブスルー併設店の比重を全店舗の45%にまで高めています。
車離れの傾向やガソリン高騰などの逆風的状況下にあっても、「ドライブスルー」の導入は、同業他店との差別化を図る上で大きな“武器”となることは間違いないようです。

※参考:
大垣共立銀行     http://www.okb.co.jp/
ジェイアイエヌ      http://www.jins-jp.com/
ナカジマ薬局      http://www.nakajima-phar.co.jp/
杉村動物クリニック  http://www.sugimura-animal-clinic.com/
質ハラダ         http://www.7harada.jp/
日本マクドナルド    http://www.mcdonalds.co.jp/
朝日新聞(2013年9月21日付)


 
 
 
 
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