- 【第一話】アニメの世界がホテルの部屋に。泊まるエンタメ、「コンセプトルーム」。
- 【第二話】メガネ型? 腕時計型? スマホの次は、手ぶらで「ウェアラブル」。
- 【第三話】オトナのくつろぎを。シニア層を狙って、「カフェ」は郊外へ。
興味のない人にとってはまったく見向きもしないようなことも、その道の熱狂的マニアにとっては、まさに垂涎の的。ここ最近、注目を集めている、アニメやキャラクターの世界を具現化したホテルの「コンセプトルーム」などは、その最たるものかもしれません。
東京・お台場の［ホテルグランパシフィックLE DAIBA］は、9月公開のCGアニメ「キャプテンハーロック」をモチーフにしたコンセプトルームを販売中。黒を基調としたシックな室内には、ハーロックのマントや海賊旗などが飾られ、壁面には海賊戦艦“アルカディア号”や乗組員たちの巨大なイラストが。艦長席も再現され、ハーロックになりきって記念撮影ができます。「世界を変えたければ、我が鑑（ふね）に泊まれ」のキャッチフレーズで、7月20日から12月20日までの期間限定1室限定で販売。2名利用で、1人1万5,000円から。
同ホテルではまた、昨年販売して大きな反響を呼んだ「機動戦士ガンダム」の新ルーム「ROOM-G ジャブロータイプ」が、今年6月に登場。2014年2月分まで予約受付中です。いずれも、オリジナルのアメニティを持ち帰ることができるのが、ファンにはたまらない特典。
キャラクター系では、「ハローキティ」（大分[別府湾ロイヤルホテル]）、「スヌーピー」（東京・大阪[帝国ホテル]）、「ミッフィー」（長崎［ハウステンボス・ホテルアムステルダム］）、「きかんしゃトーマス」（山梨［ハイランドリゾート ホテル＆スパ]）などをモチーフにしたコンセプトルームも人気です。
カワイイ系では、「Suicaのペンギンルーム」（東京［ホテルメトロポリタン］）や、実物そのままの形の拡大版クッションが大人気の「コアラのマーチ」（東京［ロッテシティホテル錦糸町］）など。
ちなみに、コンセプトルーム通の間で、いま最も注目度が高いのが、［ハウステンボス・ホテルアムステルダム］の「ONE PIECE」と［ハイランドリゾート ホテル＆スパ］の「エヴァンゲリオン」とか。
普通の部屋に泊まるのが物足りない人は、寝ても覚めても愛するキャラクターの世界にどっぷりと浸ることのできる、体感型「コンセプトルーム」がなによりの癒しとなるはず。いずれも、部屋数は限られていますので、予約はお早めに。
※参考:
ホテルグランパシフィック LE DAIBA http://www.grandpacific.jp/
別府湾ロイヤルホテル http://www.daiwaresort.jp/
帝国ホテル http://www.imperialhotel.co.jp/
ハウステンボス・ホテルアムステルダム http://www.huistenbosch.co.jp/
ハイランドリゾート ホテル&スパ http://www.highlandresort.co.jp/
ホテルメトロポリタン http://www.metropolitan.jp/
ロッテシティホテル錦糸町 http://www.lottecityhotel.jp/
Ｒ25（No.329/2013年5月16日〜6月5日）
日経ＭＪ（2013年7月10日付）
モバイル（持ち歩く）から、ウェアラブル（身につけられる）へ-----ポスト・スマートフォンを巡って、世界のIT企業や電機メーカーの間では「ウェアラブル」をキーワードとした端末開発競争に拍車がかかっています。
今年は“ウェアラブル端末元年”といわれています。その口火を切ったのが、[米グーグル]が開発中のメガネ型端末「グーグル・グラス」です。スマホと連携した様々な情報が、右目レンズ上部にある小型のディスプレーに表示されます。メール閲覧やネット検索、写真・動画撮影、翻訳機能などを搭載。道路案内は、見えている実風景に重ねて表示されます。さらに、音声入力による操作が可能で、“オーケー、グラス!テイク・ア・ピクチャー”と話しかけると、目の前の風景が撮影されるというSF的な機能も。これまで、開発者向けに一部販売されていますが、2014年までに本格的な市販が予想されています。
ウェアラブル端末の本命として注目されているのが、[米アップル]が開発中の腕時計型端末「iWatch（アイウォッチ）」。スマホと連携可能で、帯状のディスプレーには映像や文字情報が表示できる他、内蔵されたセンサーでバイタルデータ（体温、血圧、心拍など）の検知・収集機能も搭載されています。
なお、同型の端末は、韓国の［サムスン電子］も開発中らしいとの噂。
ウェアラブル端末自体は真新しい技術ではありません。身体の動きのモニタリングを主として、“ヘルスケア”と“スポーツ/フィットネス”の分野で以前から活用され、実用化が進んでいます。
スマホメーカーにとって、スマホ市場が成熟化して“うまみ”が乏しくなるにつれ、利益率の高い次世代型の商品の投入が急務となります。2014年以降、他業種も含めた企業の本格参入が予想されています。
「iWatch」や「グーグル・グラス」は、まだ、ウェアラブル端末の一部に過ぎないということのようです。
※参考:
朝日新聞（2013年3月27日付/同5月17日付）
日経産業新聞（2013年7月4日付）
喫茶店市場は、1982年をピークに右肩下がりの傾向にあります。［ドトール］[スターバックス]の2強をはじめ、［タリーズ］［サンマルクカフェ］［プロント］などのカフェチェーン大手の店舗数は3,000を超え、もはや飽和状態。特に都心部では、賃料や人件費が軒並み上昇傾向で好立地の物件争奪が激しさを増し、自社チェーン同士の食い合いが見られるほどの過熱ぶり。
そこで、カフェ各社は、出店の舞台を郊外へと移行しはじめました。郊外型店舗によってローコスト運営を可能にし、より確実な採算が確保できるからです。ただ、都心部でのやり方をそのまま郊外店に持ち込んでも通用しません。利用者層や利用動機が異なるからです。
ターゲットは、ずばり団塊世代を中心としたシニア層に絞り、顧客の囲い込みを図ります。これまで街なかのカフェを利用していた彼らが定年で自宅にいる時間が長くなり、自ずと地元の店に行くことが多くなります。そこには、回転率を第一とするセルフ式のコーヒーチェーンとはひと味違う、ゆったりと居心地の良い空間で時間を過ごしたいという、シニア層の需要が存在します。
長時間滞在できる“店舗設計”と、コスト面やスタッフの手間の点で敬遠されていた“フルサービス”、そしてポストファミレスを視野に入れた“フードメニューの充実”が、「郊外型カフェ」の必須条件といえます。
喫茶店激戦区の名古屋で根強い支持を獲得し、今や全国区となった「コメダ珈琲店」は郊外型フルサービスカフェの代表的存在といえます。2003年には東京に進出。ログハウス調のゆったりとした造りで、店内には雑誌や新聞が多数用意されており、何時間いてもOKののんびりとした雰囲気が最大の売り。
［ドトールコーヒー］の郊外型店は、「星乃珈琲店」。2011年にスタートして以来、千葉、埼玉などに約55店舗で展開。高品質なハンドドリップコーヒーと窯焼きスフレパンケーキが人気。
［スターバックス］は、今春、都心から離れて「インスパイアド・バイ・スターバックス」をスタートさせました。同社が新型店を出すのは初めてのこと。コーヒー1杯450円と、通常店より2割高。主婦や中高年層の需要を狙ってメニューを増やし、アルコールの提供も初の試み。
他に、［サンマルクカフェ］が岡山で郊外型1号店を。［タリーズコーヒー］もフルサービス郊外店を検討中。[銀座ルノアール]が展開する「ミヤマ珈琲」は昨年12月、埼玉に郊外型1号店をオープン。［イタリアン・トマト］は、今春、郊外の商業施設内にフルサービスの新型店「ITカフェ」を開業。
“速い、安い”から、価格が少々高くともゆったりとくつろげる近頃の“純喫茶風”カフェの人気。これも、昭和の古き良き時代への回帰需要の一つなのでしょうか。
※参考:
コメダ http://www.komeda.co.jp/
ドトール・日レスホールディングス http://www.dnh.co.jp/
スターバックスコーヒージャパン http://www.starbucks.co.jp/
サンマルクホールディングス http://www.saint-marc-hd.com/
タリーズコーヒージャパン http://www.tullys.co.jp/
銀座ルノアール http://www.ginza-renoir.co.jp/
イタリアン・トマト http://www.italiantomato.co.jp/
