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2013.06.03更新
 

国内より多い店舗数。日本流「コンビニ」のアジア進出に拍車がかかります。
 

昨年、ついに国内店舗数の“飽和ライン”といわれる5万店を超えた大手コンビニエンスストアチェーン。経済成長の期待が高い東南アジアを主戦場に、出店争いが一段と激しさを増しています。
内訳は、最大手の[セブン-イレブン]が約2万3,600店(国内約1万5,000店)、[ローソン]が450店(国内約9,750店)、[ファミリーマート]が約1万2,700店(国内約9,500店)、[ミニストップ]が約2,300店(国内約2,200店)。[ローソン]を除き、すでに日本国内とアジアの店舗数で逆転現象が起きています。

東南アジア諸国は、人口の平均年齢が20歳台と若く、コンビニの最大顧客である若年層を取り込みやすいのも大きな魅力となっています。中でも特にアジア進出に積極的なのが[ファミリーマート]で、1988年に台湾に1号店を出したのを皮切りに、韓国8,048店、台湾2,856店、中国979店、タイ824店、インドネシア6店の他、2009年には日系コンビニでは初めてとなるベトナムに進出(42店)。さらに今年はフィリピンにも出店。来年までにミャンマーとマレーシアに進出することも発表しています。
今年、日本のコンビニでは初めて中央アジア進出を果たしたのが[ミニストップ]。韓国1,892店、フィリピン345店、中国50店、ベトナム17店に次ぐ5ヵ国目としてカザフスタンに出店。同社は、インドネシアやミャンマーへの出店も計画中です。

ベトナムやミャンマーと共に、いま、コンビニ業界が虎視眈々と市場開拓を狙っているのがマレーシアです。現在は[セブン-イレブン]が約1,400店舗で独壇場状態ですが、今秋には[サークルKサンクス]が出店予定。
中国365店、インドネシア85店の計450店と、海外展開で遅れをとった国内2位の[ローソン]は、タイ、ミャンマー、ベトナム、さらに他社が未開拓のインドへの進出を急ぎ検討中で、巻き返しを狙います。

海外展開には、地元企業へのライセンス供与や資本提携、合弁会社設立、あるいは単独での出店といったパターンがありますが、東南アジアへの進出には高いハードルが立ちはだかります。店舗の形態や規模、そして出資限度、取り扱い商品にまで及ぶ厳しい“規制”の数々。さらに、現地の商習慣や文化の違い、人材の確保などの壁も乗り越えなければいけません。しかし、品質の良さとしっかりとした在庫管理、日本流の丁寧な接客という大きな武器でクリアしてきた実績があります。
日本での業界順位は関係のない下克上のアジア新市場。各社の、さらなる“現地化”に注目です。
※店舗数は2013年3月現在

※参考:
セブン-イレブン・ジャパン  http://www.sej.co.jp/
ローソン             http://www.lawson.co.jp/
ファミリーマート         http://www.family.co.jp/
サークルKサンクス       http://www.circleksunkus.jp/
ミニストップ            http://www.ministop.co.jp/
朝日新聞(2013年2月13日付/同3月15日付)


ここでも元気です! オシャレ度も機能も充実の「女子スマホ」。
 

女性のスマホ所有率が急速に伸びています。特に、流行に敏感な女子中高生から20〜30代の子育て中の主婦層の伸びが目立ちます。携帯電話各社では、若い女性をコアターゲットに据えた新製品を相次いで発売すると共に、様々な試みで「女子スマホ」という新しいカテゴリーの刺激付けを図っています。

機能・デザインや内蔵アプリなど、女性ユーザーを意識した作りのニューモデルは、[NTTドコモ]から1月に発売された「アクオスフォンEX SH-04E」(シャープ製)。着信時や操作時、端末下部の透明フレームに輝くイルミネーションをデザインのアクセントにした「女子スマホ」です。幅を64mmに抑え、手の小さな女性でも片手で操作しやすいサイズと形。最大の特徴は、資生堂とシャープが共同開発した“ビジンメークナビ”アプリです。インカメラに映った自分の顔に資生堂「マキアージュ」のリップやチーク、アイシャドウでバーチャルメークが体験できるというもの。アウトカメラは、“はい、チーズ”などと声をかけるとシャッターが切れる“Voice Shot”機能付き。「女子スマホ」だからといってデザイン重視で機能がいまいちだと思いがちですが、使い勝手に優れた高機能で、男子も充分満足できる上級仕様に仕上がっています。

カラフルでポップなスマホとして女子中高生に絶大な人気を誇る「ハニービー201K」(ソフトバンク/京セラ製)。その特徴は、端末上部に設けられた大きめの穴、“ちょい足しリング”です。小型メモ帳やペン、小さなぬいぐるみ、トイカメラなど、一般的なストラップホールでは付けられなかったアイテムで自分だけのスマホにアレンジできます。また、パッチリ目や小顔に編集することができる10パターンのエフェクト機能が、写真撮影の楽しさを広げてくれます。

「女子スマホ」をめぐっては、端末以外でも様々なムーブメントが見られます。その一つが、[NTTドコモ]が昨年11〜12月の期間限定で東京・神宮前にオープンした女性向けショールーム「ドコモ シェア ラウンジ『ザ・シェルフ』」。女性に人気のモデルやスタイリスト、フォトグラファーなど4人がプロデュース。どちらかというと“オシャレ”とか“カワイイ”には縁遠いと思われていたドコモのスマホを、まったく違うイメージでアピールし、新しいドコモを体験してほしいというのが狙いでした。

「女子スマホ」の利用拡大を目的に、今後ますます、様々な分野から様々なアプローチ合戦が繰り広げられることでしょう。

※参考:
NTTドコモ    http://www.nttdocomo.co.jp/
ソフトバンク   http://www.softbankmobile.co.jp/
日経産業新聞(2013年3月5日付)


苦肉の策?「ビール」や「缶コーヒー」、新規客開拓にコラボ戦略。
 

「ビール」「発泡酒」「第3のビール」を合わせた、いわゆる「ビール類」市場の縮小に歯止めがかかりません。規模でいうなら、25年前(1988年)の市場規模に戻ったとさえ言われています。さらに「ビール」だけに絞って、大手5社(シェア順に、アサヒ、キリン、サントリー、サッポロ、オリオン)の2012年出荷量を見てみると、なんと16年連続で前年を下回り続けているというショッキングな現状が----。メーカー各社は、もはや“単体”での直球勝負では光明が見えてこないと判断したのか、目先を変えた変化球勝負で挑みます。

イチロー選手と女優の蒼井優をCMキャラクターに起用して大々的に展開したのが、[キリンビール]。「一番搾り」を使ったビアカクテル「ツートン<生>」の提案です。オリジナルの“ツートンメーカー”をセットし、ジュースなどの割り材とビールを注ぐだけでグラスの底にジュース、上部にビールと2層に分かれた、見た目も味わいも新しい飲み物に変身。グレープフルーツ、トマト、オレンジ、パインなど、お好みのジュース類を割り材に、自分だけのオリジナルビアカクテルが楽しめます。2月から業務用として先行展開、3月下旬からは家庭でも簡単に作れる「おうちでツートン<生>セット」を数量限定で発売。「一番搾り」3缶、4種の「トロピカーナ100%フルーツジュース」各1本、オリジナルグラス1個、ツートンメーカー、マドラーなどがセットされて1,600〜1,800円(オープン価格)。大好評で、4月中旬には早々とSold Outとなりました。
[アサヒビール]も2月に、カルピスを「スーパードライ」で割ったビアカクテル「ダブルカルチャード」を、全国の飲食店で展開(ちなみにアサヒグループは、昨秋、カルピス社を傘下に収めました)。ネーミングの由来は、カルピスの乳酸菌発酵とビールの酵母発酵、2つの発酵=culturedから生まれたということから付けられました。

また、ビールほどではないにせよ、「缶コーヒー」市場もここ数年ほぼ横ばいが続きます。思いのほか、若者や女性の顧客層が広がらない中、他社とのコラボ戦略でさらなるアピールを図ります。その一例が、[アサヒ飲料]の「ワンダ」と[森永製菓]の「アイスガイ」とのコラボ商品、「アイスガイ<ワンダ特製カフェオレ>」(126円)です。パッケージには大きく「WONDA」のロゴがあしらわれ、コラボ感が前面にフューチャーされています。

これまで低価格に頼ってきたものが、それが通用しなくなってきた現在。嗜好品メーカー各社は、知恵と工夫を総動員した、まさにあの手この手の戦術が求められています。

※参考:
キリンビール    http://www.kirin.co.jp/
アサヒビール    http://www.asahibeer.co.jp/
アサヒ飲料     http://www.asahiinryo.co.jp/
森永製菓      http://www.morinaga.co.jp/
朝日新聞(2013年2月20日付)
日経産業新聞(2013年3月18日付)


 
 
 
 
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