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2011.02.01更新
 

タバコの値上げが火を付けた? 急伸する「禁煙用品」市場。
 

健康志向の高まりや国際的な禁煙運動の流れに加えて、国内の公の場所での禁煙が拡大。愛煙家にとっては肩身の狭い思いをしているところに、今度は昨年10月、タバコの大幅値上げが追い討ちをかけます。しかし、かえってこれらの“現実”に背中を押されて禁煙への扉を開ける人が増えており、それに伴って「禁煙・節煙用品」が、がぜん活況を呈してきました。

ニコチンを含み禁断症状を一時的に抑える「ニコチンガム」、皮膚に貼ってニコチンを摂取し徐々に量を減らしていく「ニコチンパッチ」、タバコを吸いたいと思わなくさせる「経口薬」、パイプのフィルター部分に香料が含まれていてこれを吸うことで喫煙衝動を紛らわせる「禁煙パイプ」(マルマンの「禁煙パイポ」が代表的)、「離煙パイプ」「禁煙飴」「電子タバコ」など、まさに百花繚乱。ドラッグストアをはじめ、スーパー、コンビニ、ネット通販などを舞台に熱い闘いを繰り広げています。

中でも、特にこの市場を元気にしているのが「電子タバコ」です。火を使わず、見かけは従来のタバコと同じ。吸い口部分のカートリッジに液体が入っていて、吸い込むと本体のセンサーが感知し液体を電気的に霧状にし、その微粒子を吸引するという仕組みです。吐き出される際に発生するミスト(水蒸気)が、あたかも紫煙のように見え、さらに吸引と同時にタバコ先端が赤く発光するという、まさに“吸った感じ”“煙を吐いた感じ”が体感できます。

商品は、「本体」「フレーバーカートリッジ」「充電式バッテリー」の3点から構成されており、スターターキットとしては2,000〜3,000円、中には1万円台の高額なものもあります。その後は、ミント、グレープフルーツ、コーヒー、メンソール、バニラなどのカートリッジ交換にかかる費用だけ。

「電子タバコ」自体、開発されたのが中国ということもあり、現在日本国内で販売されている商品の大部分は中国製。中にはニコチン入りの電子タバコも存在しますが、薬事法の規制があるため、日本で販売されている商品にはニコチンやタールは入っていません。

昨年10月を境に、禁煙・節煙用品の出荷量は飛躍的な伸びを示しました。

オフィスやレストランでの全面禁煙も珍しくなくなり、就活で禁煙が採用の条件となる場合もあるといいます。今後、こういった流れが変わるとは考えにくく、まだまだ認知度が低い「電子タバコ」の底上げと共に、「禁煙用品」市場全体の成長が大いに期待できそうです。

参考:
マルマンヘルスケア:http://www.maruman-healthcare.com/
トップランド            :http://www.topland.co.jp/
素数                     :http://sosu.jp/
日経MJ(2010年11月14日付)
朝日新聞(2010年11月30日付/同12月4日付)


時代の要請でしょうか、堅実に伸びています「お直しビジネス」。
 

長引く不況に対する庶民の防衛策なのでしょうか、近頃、リフォームやリペア(修理)といった「お直し」需要が拡大しているようです。

“お直しブランド”として知られているのが、全国のデパートやターミナル駅などでよく見かける靴修理チェーンの最大手「ミスターミニット」(店舗数約 270/2010年12月現在)。店名の通り、急なトラブルにも即対応できるクイックサービスが中心ですが、昨秋からは“お預けシステム”にも力を入れ始めました。出勤途中に靴を預け、帰りに修理済みの靴を引き取る、といったように。

また、バッグや財布などの革製品の修理にも対応しています。受け付け時にカウンセリングし、修理方法や期間、価格までその場で見積りをし、自社の専門修理工場に送りプロの職人たちが修理にあたります。

洋服のお直しで勢力を伸ばしてきたのが“お直しコンシェルジュ”と銘打った「ビッグ・ママ」(店舗数36/2010年12月現在)。ボタン付け(210 円〜)、パンツのすそほつれ直し(315円〜)といった小さなものから、古くなったジーンズをスカートにリフォーム、といった大がかりなものまで、どんなお直しも引き受けてくれます。このリーズナブルな価格設定は、1999年のスタート時からの経営戦略のたまものといえます。仙台に本社工場を抱える同社は、お直しの注文を受ける小型店舗を「渋谷109」や「新宿アルタ」「札幌パルコ」といった有名商業施設に限定出店し、認知度アップを図ることに努めました。店舗では簡単な作業だけに絞り、大きなお直しは仙台に送って仕上げるという方式を採りました。都心に大型店を出すより、この方が家賃・人件費などのコストが抑制され、それが割安な価格を実現させたのです。

アクセサリーの分野の「お直し」で注目されているのが、「ジュエリー・リフォーム 夢仕立」(ライム商会)。リフォームしたい宝石を顕微鏡カメラで拡大撮影し、その場でプリントしたものを客が控えとして持ち帰るという、日本で唯一の保険保障システムを導入しています(保険加入料は無料)。年間加工実績が平均約3,000件にのぼる同社は、店舗としては赤坂の1店のみですが、百貨店との共同フェア開催が多いのが特徴で、ジュエリーのリフォームを広くアピールする場として積極的に活用しています。

はたして昨今の「お直しビジネス」の堅調な伸びを支えているのは、単に節約とかMOTTAINAI精神だけのせいでしょうか。使い捨ての風潮に反旗をひるがえし、本当に気に入った良質なモノをお直ししながら大切に永く使おうという生活意識の変化、消費文化の成熟度の表れと言えなくもないと思うのですが…。

参考:
ミスターミニット        :http://www.minit.co.jp/
ビッグ・ママ            :http://www.big-mama.co.jp/
夢仕立(ライム商会):http://limetrd.co.jp/
日経MJ(2010年11月5日付)


にぎわっています。懐かしくも新しい空間、「横丁系居酒屋」。
 

景気の低迷とデフレの波が外食業界を襲っています。中でも「居酒屋」を取り巻く環境は、節約志向で“家飲み”する人の増加や若者のアルコール離れなどで厳しさを増すばかり。そこにさらに、大手居酒屋チェーンが超低価格攻勢をかけてきました。全品均一価格200円台と、究極の激安を打ち出して価格競争を仕掛けてきます。

こういった状況の中、体力のない個人経営の店が生き残ることは至難のわざ。一店舗で頑張ってもなかなか太刀打ちできません。そこで、その逆風を逆手にとり、個が集まって一つの個性的な集合体となって新たな価値を創り出すことができれば激安戦争に対抗できるはず、と生まれたのが「横丁系居酒屋」です。味付けは、昭和という古き良き時代の香り、大通りから一本入った路地に居酒屋が軒を連ねる、日本のどこにでもあった“横丁”の再生でした。

ブームの火付け役となったのが「恵比寿横丁」(東京)。築40年のショッピングセンター跡地に13の大衆酒場がひしめき合います。2年を費やし、全長40mものシャッター街の再生に成功しました。

大型焼肉店舗跡地に、牛・豚・鶏・馬の8軒の肉屋直営店が集合した「肉の殿堂 神田ミートセンター」(東京)。

カラオケ店舗の再生をテーマに、飲んで食べて唄える横丁として誕生したのが「赤坂小路」(東京)で、流しのギター弾きがやって来る日もあるとか。

たこ焼や唐揚げ、浜松餃子などの4店舗が集まった「銀だこ ハイボール横丁」(東京・浜松町)。築地の仲卸さんの協力で一括共通仕入れが実現した5店舗の魚料理横丁、「品川魚貝センター」(東京)。タクシー会社が車を置くために使っていた50坪のJR高架下に5つの店から成る「新橋ワールドミート」(東京)、などなど。ここ2年余りで、東京を中心に10横丁以上がオープンしたと言われており、この動きは全国へと広がる気配を見せています。

また、これまでのものとはちょっと生い立ちが異なる“新・横丁系”とも言うべきタイプも登場してきました。例えば、地方自治体と協力し合って地元の食材を提供し、生産者と消費者を結ぶアンテナショップ的な横丁として2010年11月にオープンした「有楽町 産直飲食街」(東京)。静岡の魚・熊本の馬肉・岩手の豚肉・長野のしゃもと蕎麦の4店舗で構成されています。

2011年春、聖蹟桜ヶ丘駅前(東京・多摩)にオープンするのは、“三毛作横丁”で、肉などの食材の販売+加工した惣菜の販売+居酒屋という、暮らしに密着した郊外型の横丁です。

「横丁系居酒屋」にとっては、いまの不況もメリットにはたらきます。つまり、不況の影響で物件が安く借りられる。賃料も入居各店で分担するので小規模な個人居酒屋にでも出店のチャンスがある。設備の管理や広告宣伝も共同で行うので効率化を図ることができる、など。

あえて、木箱のようなテーブルにビールや一升瓶のケースを使ったイスがところ狭しと並ぶ店内。肩も触れあわんばかりの密着度。冬寒く、夏暑い。お世辞にも快適とは言い難い空間。しかしそこには、えも言われぬ居心地の良さとおおらかさ、ざわめきが存在します。いまの日本に欠けている貴重な場がそこにある、と言ったら大げさでしょうか…。                      

参考: 浜倉的商店製作所:http://www.hamakura-style.com/
テレビ東京                   :http://www.tv-tokyo.co.jp/
日経MJ(2010年11月1日付)


 
 
 
 
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