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2011.01.04更新
 

歩数計の次に来るのは、「活動量計」の出番です。
 

歩いた歩数を計測してくれるのが歩数計なら、家事や仕事など、上半身の動きも含んだあらゆる日常生活上の動き(立つ・座る・歩く・走る・横になる…etc.)を計測し、その間のエネルギー総消費量を算出し、数値やグラフで表示してくれるのが「活動量計」です。内蔵された3D(3軸加速度)センサーが、身体の上下・左右・前後のわずかな動きも検知します。

当初、「活動量計」は、医療機関や保健指導向けの、いわゆる業務用がほとんどで、機能や使い勝手、価格の面からも一般的な存在ではありませんでした。しかし、近年の健康志向の高まり、「メタボ検診」の法制化(08年)、また強まる一方のダイエットへの関心などを追い風に、健康機器や家電メーカーなどから一般向けの「活動量計」が相次いで発売されました。

その先陣を切って2009年4月、業界初の「活動量計」として登場したのが、タニタの「カロリズム」です。翌年には、二代目の「カロリズムスマート」が発売(8,000円前後)。メタボが気になる40代以上だけではなく、若い女性を意識し、ボディがより軽く・小さくなって、カラーバリエーションも2色から5色に。装着の仕方も、胸ポケットが無い女性の服装を考慮して、クリップタイプや上着の内側から磁石で装着できるものへと改良されました。

2010年3月には、パナソニックから「デイカロリ」シリーズが発売(4,000円前後)。「ダイエットサポート機能」が特徴で、減らしたい体重量と達成目標期間を入力すると、実現のために必要な一日の消費カロリーが自動的に設定されます。使用途中には、達成まであと何カロリーの消費が必要で、そのためにはあと何時間の運動が必要です、などといった具体的なアドバイスが表示されます。

同年9月には、テルモが「テルモ活動量計」で参戦(5,000円前後)。画面に「脂肪燃焼ライン」を設けたのが大きな特徴で、その動きが脂肪の燃焼につながる強さなのかが一目でわかる仕組みです。装着は、ズボンや胸のポケットなどの他、カバンの中でも計測可能。

また同じく9月に、シチズンから活動量計「peb(ペブ)スポーツウォーカー」が発売されました。汗や雨に強い防水機能と11種類のアニメを使って各データをアイコン表示したのが特徴。さらに11月にはオムロンが「カロリスキャン」を発売(4,500円前後)。ポケットインタイプで、業界最薄 10mm(2010年10月現在、オムロン調べ)のスリムなデザインが売りです。

セルフケア健康機器市場の新しい顔として世に出てから、まだ2年も経っていない「活動量計」ですが、市場規模は大きく拡大、認知度は着実に高まっています。

※参考:
タニタ  http://www.tanita.co.jp/
パナソニック  http://panasonic.co.jp/
テルモ  http://www.terumo.co.jp/
シチズン・システムズ  http://www.citizen.co.jp/
オムロンヘルスケア  http://www.healthcare.omron.co.jp/
日本経済新聞(2010年10月7日付)
日経産業新聞(2010年9月24日付/同10月26日付)


まだまだ熱い、「食べるラー油」ブーム。
 

これまで「ラー油」といえば、餃子のタレとして数滴を垂らす琥珀色の液体にすぎませんでした、2009年8月に桃屋の“食べるラー油”が登場するまでは。

桃屋から発売された「辛そうで辛くない 少し辛いラー油」(略=桃ラー)は、従来の「ラー油」の概念を一変させた画期的な商品でした。揚げたガーリックとオニオン、それに唐辛子味噌、すりゴマなどがたっぷり入って、辛いだけではなく、香ばしさと旨み、それにサクサクとした初めての食感を体験させてくれます。あつあつごはんや豆腐、納豆、うどん、サラダなどに相性抜群と、テレビ番組やCM、ブログ、口コミ(ツイッター)などで、みるみる“うまさの連鎖”が拡大し、全国各地で入手が困難になるほどの品薄状態となりました。生産が追いつかず、オンエアー開始12日後にCMが一旦打ち切られる事態に。ある通販サイトでは、一時期、時間限定・個数限定という条件を設けて対応したほどです。さらに2010年3月には、発売から8カ月も経過しているにもかかわらず、再度、桃屋から「品薄状態についてのお詫び」が出されました。

そんな爆発的人気となった「ラー油」市場に、2010年3月、桃屋の強力な対抗馬が参入してきました。エスビー食品の「ぶっかけ! おかずラー油」。「桃ラー」と同様、“食べるラー油”をコンセプトとした商品です。当然、あわよくば「桃ラー」の供給不足分をいただいてしまおうという思惑もあったはずですが、この商品もブームの大きな渦に巻き込まれ、発売からわずか6日後、「品薄に関するお詫び」を出さなければいけない事態に追い込まれてしまいます。

まさかメーカー側の意図的な戦略ではないのでしょうが、品不足で消費者の渇望感が煽られ口コミの拡大もあって加速度的に人気に拍車がかかって社会現象にまでなってしまった“ラー油狂騒曲”。いまは、増産体制で品薄状態も解消してひと段落といったところ。

大小メーカー、まさに群雄割拠状態の「ラー油」市場ですが、現在、桃屋とエスビーの2社が3位以下を大きく引き離して二強体制を形成しており、販売金額シェアでも両社合計で50%を超えています。

そもそも今回の「ラー油」ブームの火付け役となったのは、石垣島「ペンギン食堂」の島唐辛子を使って作ったラー油で、2000年から発売され、グルメの間では他の沖縄系ラー油とともに、ネット通販などで超人気商品となっていました。

アイスクリームにトッピングしたり、ペンギン食堂の監修で「ポテトチップス」(カルビー)が発売されたり、お煎餅(栗山米菓)やラー油バーガー(モスバーガー)が開発されたりと、ラー油の発展形として活発な動きを見せています。当分、ラー油熱は下がりそうもなさそうです。

※参考:
桃屋  http://www.momoya.co.jp/
エスビー食品  http://www.sbfoods.co.jp/
カルビー  http://www.calbee.co.jp/
栗山米菓  http://www.befco.jp/
モスフードサービス  http://www.mos.co.jp/
日経MJ(2010年10月18日付)


順調に育っています。天候に左右されない野菜づくり、「植物工場」。
 

「植物工場」とは、光や温度、湿度、二酸化炭素濃度や養分、水分といった育成環境をコントロールすることで、野菜などを計画的に生産する水耕栽培施設のことです。大別して、「太陽光利用型」と太陽光を使わず人工照明だけで育てる「完全人工光型」の2タイプがあります。

「太陽光利用型」は、いうなれば“高性能な温室”。太陽光の利用を基本としながらも、雨や曇天時には人工光で補い、また夏季の高温時には温度抑制しながら栽培します。レタスなどの葉菜類やトマト、イチゴ、バラなどが栽培されています。

最近、脚光を浴びているのが、閉鎖された環境で太陽光を一切用いずに養液(窒素・リン)栽培される「完全人工光型」です。温度・湿度・光強度などを、農産物の生育に最適な値に制御し、最良の環境を人工的に作り出すことから「完全制御型」と呼ばれることもあります。

このタイプには多くのメリットがあります。まず、これまでの農業につきものだった冷夏や暖冬、台風、霜といった自然災害の影響を受けないので“凶作”とは無縁。一定の品質での供給が可能となり、価格も安定します。また、土を使わないことにより連作も可能で、レタス類なら20毛作以上できるといわれています。かつ、病原菌や害虫による被害も免れるため、それらを予防・駆除するための農薬の散布も不要。

無農薬で土の付着がないため、洗わずに、あるいはサッと水洗いするだけで食べることができるのも「植物工場」産の特徴です。手間や水道費の削減につながり、外食チェーンなどで歓迎されているのもうなずけます。

さらに、栽培技術をマニュアル化することで、農業経験のない人でも作業ができます。栽培場所も、使っていないビニールハウスや自宅の倉庫、ビルの地下、会社内の空き部屋、学校などを有効利用できます。

一方、課題もあります。第一に、このタイプの要である“光”にかかる費用が相当額に上る点。最近では、LEDや太陽電池の導入で光熱費を抑える試みも行われています。また、高額な生産コストに比して、栽培される野菜の種類が限られている点です。現在、商品として生産されているのは、リーフレタスやハーブ類が中心。採算面が今後の大きな課題といえます。

農水省と経産省では、「植物工場」の普及・拡大に向けた支援策として補助金制度を設けてバックアップ。また、2009年には約5カ月間にわたって経産省の庁内ロビーに「完全人口光タイプ」の植物工場のモデルを設置してデモンストレーションしました。

将来的には、光の性質を利用して、より栄養価の高い野菜づくりの実現や、植物の遺伝子組み換え技術を応用してサプリメントや医薬品の製造なども視野に入れた開発も進んでいます。完全人工光で、どんな野菜でもつくれるという日も、そう遠い話ではないかもしれません。

※参考:
農林水産省  http://www.maff.go.jp/
経済産業省  http://www.meti.go.jp/
植物工場普及振興会  http://www.tagf.org/
朝日新聞(2010年8月17日付)


 
 
 
 
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