電気自動車(EV=エレクトリック・ヴィークル)が、09年にぐんと身近になってにわかに現実味を帯びてきました。
静かで排ガスを出さず、オイル交換の必要もない。電池を搭載し、家庭用100V電源から簡単に充電できる、まさに次世代のクルマ、EV。その先陣を切って、今年、三菱自動車から「アイミーヴ」(iMiEV)、富士重工業から「プラグインステラ」と、実用性の高いEVが登場します。ともに車両価格は300万円前後で、鉛電池より寿命の長いリチウムイオン電池を使用し、最高速度は100〜130km/h。車格としては「軽自動車」に分類されます。
EVメーカー各社は、まず法人や官公庁といった“大口”から攻める計画です。例えば「アイミーヴ」の場合は、09年に2,000台を法人・官公庁に販売し、一般向けには2010年から本格的に販売する予定。「プラグインステラ」も今年は法人・官公庁中心に100台強を販売する予定です。
たしかに法人の需要は大きく、2万台以上の業務車両を持つ「郵便事業会社」や約5,000台の営業車両を持つ「セコム」などを始め、「東京電力」ではひと足早く実証実験で計50台のEVを使用、最終的には営業車両3,000台をEV化する計画です。
一般への普及の際に、ネックになると思われるのは次の2点です。一つは、車両価格の半分以上を占める「電池」です。使用されるリチウム電池が高価なため、「年数万台のEVを販売するようになれば電池の価格も下がって車両価格を150万円程度にできる」(富士重工業)と期待します。もう一つは、外出先での「充電」です。大手貸し駐車場や家電量販店、スーパーなどでは既に実験的に充電ステーションを設置するなど、充電インフラの整備に向けて動き始めています。
オシャレな輸入家電品店や高級ブランドのブティックなどにEVがディスプレイされるといったように、異業種から参入したEVのディーラーも出現しています。アブラ臭くなく、熱を持たないので、試乗で走ったクルマをそのまま店内に陳列できるというわけです。従来の“クルマ屋さん”とはひと味違った販売チャネルに広がる可能性は大きく、それどころか、いずれ家電メーカーがEVを製作してしまうということも現実に!
クルマが家電になる日は、すぐそこに来ているのかもしれません。
※参考:日経トレンディ
週刊東洋経済
日経MJ(日経流通新聞)
「青汁」「高枝切りバサミ」「ビリーズブートキャンプ」etc.……お馴染みのヒット商品を生んだテレビ通販が、いま戦国時代の様相を見せています。
テレビ通販市場は、07年に3,962億円と、この10年間で2.4倍に拡大しました。放送量で見てみると、08年7月の某1週間で、地上波キー局5社の通販番組の放送時間は5局で1,793分(約75時間)。5年前の1.5倍に増えています。局別では、番組数・放送時間ともにテレビ東京がダントツでテレビ朝日がそれに続きます。
03年時点ではどの局もほとんどが早朝や深夜の枠だったのが、最近はむしろ平日午前11時前後の時間帯が“通販主力枠”といわれ、まさに激突タイムとなっています。激化の背景には、急速な景気低迷によるテレビCM収入の落ち込みがあります。各テレビ局では、通販などの広告外収入に力を入れざるを得ない状況に追い込まれており、いっそう通販番組のバトルに拍車がかかるというわけです。
現在、TBS、フジ、テレビ東京は子会社が、日本テレビとテレビ朝日は自社で通販番組を運営しています。かつて業界トップだったフジテレビ系列の「ディノス」は、数年前には売上高120億円を誇っていましたが、07年度は約85億円と、前年比21%と激減。テレビ通販の老舗も“戦国通販”の荒波を被り、苦戦を強いられています。
通販会社側から見てみますと、全体の売上高は6.3%増でしたが、伸び率は2期連続でマイナス。上位3社のうち、トップの「ジュピターショップチャンネル」(本社:東京)を除く2社が減少に転じるなど、右肩上がりの成長にブレーキがかかったことは明らかです。2位の「QVCジャパン」(本社:千葉)は2%減、3位の「ジャパネットたかた」(本社:長崎)は3%減(テレビ部門のみ。ネット通販では増)でした。
かつて料理番組がショーとして人気を獲得していったように、通販も一つの番組として視聴率がとれるような個性的で新しいカタチが求められているようです。
※参考:朝日新聞
日経MJ(日経流通新聞)
全国20〜60代の男女1,030人による全国消費者調査で、近頃のコンビニ利用動向が浮き彫りにされました。
○2〜3年前に比べてコンビニの利用頻度は?
「増えた」が24.4%に対し、「減った」が19.4%と、コンビニに行く回数が増えた人が5ポイント上回りました。特に50代では「増えた」の伸びが顕著でした。男女別では、男性のほうが利用頻度が高く「ほぼ毎日利用する」が18.1%を占め、女性(6.4%)の3倍近い結果が出ました。
○利用が増えた理由は?
男女ともに「近くに新しい店ができたから」(36.3%)をトップに、2位が「タスポ(たばこ自販機成人識別カード)無しでたばこが買えるから」が18.3%。男性に限定すると、25.8%もの人がタスポ要因を挙げ、女性の2倍強の高い数値を示しました。ちなみに50代男性で、たばこは自販機をやめてコンビニで、という人は40.0%にも達しました。
一方、女性のコンビニ利用増の要因は、「利用している店に魅力的な商品・サービスが増えた」がトップで22.0%と、タスポ要因を上回りました。
○利用が減った理由は?
「節約するためにコンビニより安い店を利用するようになった」が51.0%と、ダントツのトップでした。また、男女とも、不満を抱き、もっと魅力ある商品にしてほしいと思っている代表格が「弁当」(32.2%)でした。次いで「パン・サンドイッチ」(20.2%)で、対照的に「おにぎり」への不満は12.2%にとどまっています。こうしてみると、「おにぎり」はコンビニ商品として完成度が高いと言えそうですが、「弁当」や「パン・サンド」類にはさらなる商品開発を期待する利用者の思いが強いようです。それだけ、常にコンビニの中心で注目商品であり、需要度が高い表れといえます。
○月2回以上利用するチェーンは?
関東では「セブンイレブン」71.0%、「ローソン」42.0%、「ファミリーマート」40.3%の順。近畿では「ローソン」52.6%、「セブンイレブン」44.8%、「ファミリーマート」37.5%の順となっており、地域による違いが興味深いところです。
※参考:日経MJ(日経流通新聞)