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2020.04.01更新
 

スマホが主役の結婚式。広がる、「デジタル・ブライダル」の波。
 

何かとしきたりが多く、アナログの権化のような結婚式にも、デジタル化の波がひたひたと押し寄せています。ペーパーレスで費用が抑えられるほか、参列者にとっても手間が省けると好評。昨今の新郎新婦のニーズをいち早くキャッチし、ビジネスチャンスと捉えて参入する異業種やベンチャー系企業も増加。低迷気味のブライダル業界に新しい風を吹かせています。

まずは、招待状。ハガキを郵送するという形からWeb招待状へ。結婚式関連サービスの「RAKURAKUウエディング招待状」(運営:プラチナスタイル)や「ビルーチェ」(運営:銀座クルーズ)などでは、何十種類ものテンプレートから選んだデザインに、前撮り写真などを加えて挨拶文を入力し、専用ページに飛ぶURLをLINEやFacebookなどで送信。受信者(参列者)は出欠をWeb上で返信するだけ。制作費は無料です。利用者の中には、友人にはWeb招待状、目上や親戚には紙の招待状と“いいとこ取り”の使い分けも少なくありません。さらにこのシステムには、出欠の返事の際に、ご祝儀や会費をLINEペイや銀行振り込みなどでの事前決済か、当日現金で支払うかを選ぶことができる機能が付いています(手数料として決済額の4〜5%が発生)。これにより、当日、受付での現金管理の負担がなくなるとともに、ドタキャンや祝儀泥棒の防止にも一役買っています。なにより、式の前に祝儀を受け取ることができるため、事前に支払いが必要な経費に充てることができ、立て替えが不要となることがホスト側には大助かり。

ほかにも、会場内の席札の裏に、二人の結婚までの様子を綴ったブログに飛ぶQRコードが印刷されていたり、席次表や食事のメニューもQRコードから確認できるなど、細かなところにもデジタル化が進んでいます。

また、Web招待状サービスの「DEAR」(運営:ココチエ)では、式後のアフターフォローとして“Webお礼状”のサービスを始めました。感謝の言葉に添えて、当日の動画をLINEで送信。式の雰囲気が、新鮮なうちにスマホなどで再現される面白さがウケています。

結婚式にまつわる、作業の時間と手間とコストを大幅に減らすことができるデジタル・ブライダルの動きに対して、“味気ない”などと賛否両論があるのも事実。しかし、他業界に比べるとデジタルシフトが遅れをとっているといわれるブライダル業界にとって、最近のデジタル化の動きが大きな刺激付けとなることは間違いありません。
やがて、結婚式のスタンダードになる日も遠くないかもしれません。


※参考:
RAKURAKUウエディング招待状(プラチナスタイル) https://platinumstyle-invi.jp/
ビルーチェ                    https://biluce.net/
DEAR                       https://dear-guest.com/
日経MJ(2019年9月11日付/同12月8日付)





口臭も、体臭も。気になる臭いの「チェッカー」需要、高まる。
 

いろいろな種類の“ハラスメント=周囲を不快にさせ、何らかの不利益を与えてしまうこと”が社会問題として話題となって久しいですが、最近では、臭い(スメル)による他者への不快感、「スメルハラスメント(スメハラ)」が問題視されるようになってきています。それに伴い、メーカー各社は続々と新商品を投入。臭いケア市場は堅調に拡大モードに入っています。

スメハラの原因となる臭いには、男女を問わず、汗、息、頭皮、タバコ、靴下(蒸れ)、加齢、ストレス(皮膚ガス)などに加え、香水や化粧品、柔軟剤・芳香剤といった、使用量によっては周囲に迷惑を及ぼすものも含まれます。

特に、至近距離で客と接する職種やビジネスマンの打ち合わせ時など、職場に女性が増え、問題が顕在化しやすくなったことで、男性たちは女性に嫌われては会社での評価にも影響すると、自身の臭いに気を使い始めました。中でも、中高年男性にとって最も神経を使うのは、“汗(体臭)”と“息(口臭)”。

体臭は、自分では意外に気付かないものですし、人にも相談しづらく、他人からは指摘しづらいもの。そこで最近では、自分の体臭に不安になったら、まず測定して客観的に知り、それから自分に合った商品を買うというのがトレンドとなっており、各種、測定器の需要が高まっています。

[タニタ]の臭いチェッカー「ES-100」(税込1万3000円前後)は、体から放たれる臭いの原因(ガス)を検知する仕組みで、首まわり、頭部、脇、足裏などにセンサーを当てるだけで臭いをセルフチェック。測定は約10秒間、0〜10までの11段階で臭いの強さがレベル表示されます。利用者は40〜60代中心で、圧倒的に男性が多いとか。

口臭が測定できる“口臭(ブレス)チェッカー”の売れ行きも好調です。センサー部分に“は〜”と息を吹きかけるだけで口臭度合いを判定。3〜6段階評価のものが主流で、LED点滅するタイプやイラストで表示されるタイプが。測定時間は3〜5秒。本体価格は、税込2000〜6000円前後。また、[ライオン]からは、AIを活用して舌の画像から口臭リスク(舌苔の色味)を3段階で判定できるアプリ「RePERO」が開発されるなど、臭いの“見える化”の動きは活発化しています。

日本人は元来、体臭の少ない民族だといわれています。しかしながら、先進各国の中ではオーラルケア意識が低く、口臭については在日外国人の約7割が“日本人の口臭にガッカリした経験がある”と答えるほどの結果が。また、[マンダム]が25〜49歳の働く男女を対象に行った調査でも、7割近くが“同僚の体臭や口臭などが気になる”と回答。今や臭いケアは、外見の身だしなみ以上に、エチケットとして周りへ配慮しなければいけないポイントになってきています。
誰でもスメハラの加害者になり得るという一種の危機意識の高まりが、臭いケア市場を、新たな成長分野に押し上げる原動力となっているようです。


※参考:
タニタ           https://www.tanita.co.jp/
ライオン          https://www.lion.co.jp/ja/
マンダム          https://www.mandom.co.jp/
日刊工業新聞電子版(2019年3月20日付)
日経MJ(2019年11月22日付)



“見る”より“体感”。“コト消費”求めて、映画館へ。
 

家庭用テレビの大型化・高画質化、高性能な音響機器、ネット動画配信の普及などにより、家に居ながらにして好きな時間に映画が楽しめるようになった今。映画館の存在意義は薄れる一方、ビジネスとしても先細り…と思いきや、その実情はいささか異なるようです。2019年、映画館の年間興行収入は、過去最高だった2016年を超えて最大値を更新。1993年に1734と最低だった映画館数(スクリーン数)も2018年には3561と2倍以上に復活。上映本数も、邦画・洋画とも過去最高を記録。さらに、景況のバロメーターとなる入場者数も、鑑賞料金が値上がり傾向にあるにもかかわらず、
減るどころか2019年は1億9500万人と前年より約2500万人増えて過去最高(日本映画製作者連盟)。2000円近いお金を払ってわざわざ映画館まで行く人は少ない----世の中全体にまん延する漠然とした“映画館離れ”の空気と、冒頭で触れたような数々の外的要因の“向かい風”をはねのけ、映画館業界は意外に元気だったのです。

中でも、同じ施設内に複数のスクリーンを展開する「シネマコンプレックス(シネコン)」におけるハード・ソフト両面の進化は著しく、まさに体感型・参加型のエンタメコンプレックスともいうべきコンセプトで新しい顧客の“集客装置”となっています。
映像に合わせて座席稼働や環境効果が体感できる「4DX(フォーディーエックス)」の上映スクリーン数は、この4年で10倍に増えています。2009年に韓国で開発されたこの上映システムは、シートが前後&上下左右に動くのをはじめ、嵐のシーンでは雨が降り、風が吹き付け、背中への衝撃や耳・首筋へのエアー、地響き、香り、煙、雪など、五感に訴える特殊効果で圧倒的な臨場感を演出。まるで、テーマパークのアトラクションのようです。料金は、通常鑑賞料金にプラス1000円程度。

刺激が強すぎて映画のストーリーが入ってこないという人には、「スクリーンX」(韓国発祥)がオススメ。正面のスクリーンに加え、左右側面(壁面)、計3面に映像が映し出され、視界270度で鑑賞できるというもの。追加料金は500〜700円。また、ファーストクラスの映像体験を求める方は、「IMAX(アイマックス)」(カナダ発祥)へ。大型スクリーンと超迫力の音響が売りで、プレミアムな映画体験が味わえます。追加料金は400円。さらに、2015年にオランダで生まれ、2018年に日本に導入された上映システムが「ドルビーシネマ」。2台のレーザープロジェクターによる映像のコントラストは従来の劇場の500倍。音も、壁だけでなく天井にまでスピーカーを配置し(最大64個)、抜群のサラウンド効果を実現します。

ただ、こういった最新の高機能上映システムを売りに集客を維持していくには、常に次なる設備投資が求められます。その額は巨大な上に、成功が約束されているとは限りません。しかしそれでも、“リニューアルしない遊園地に客は来ない”と言われるように、止めるわけにはいかないのが現実のようです。


※参考:
一般社団法人 日本映画製作者連盟    http://www.eiren.org/
TOHOシネマズ             https://www.tohocinemas.co.jp/
ユナイテッド・シネマ          https://www.unitedcinemas.jp/
日経MJ(2019年11月4日付)



 
 
 
 
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