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2017.01.05更新
 

“家呑み”を豪華に。外食並みの美味しさを閉じ込めた「グルメ缶詰」ブーム。
 

缶詰人気が続いています。それも、高級素材を使い、手間とコストをかけたちょっと贅沢な「グルメ缶詰」と呼ばれる高級缶詰がブームとなっています。普通の缶詰とは一線を画す厚手のパッケージに包まれたルックスで、平均価格帯は400〜600円。

それにしても、節約志向という近ごろの消費マインドと逆行するかのように、缶詰がどんどん高級になっているのは何故でしょう。ブームの背景には3つの要因が---。

その1つは、景気低迷が定着して自宅でお酒を楽しむ“家呑み”派の増加です。そのニーズをいち早くキャッチしてグルメ缶詰ブームの先駆けとなったのが、[国分]の「缶つま」シリーズ(税別450〜600円)でした。「霧島 黒豚角煮」「北海道利尻産むしうに」「広島県産 かき燻製油漬け」など、現在100種類以上。タパス(小皿料理)感覚で、女子会メニューとしても好評です。

[明治屋]の「おいしい缶詰」シリーズ(税別400〜550円)は、素材別に、牛・豚・鶏・魚介・貝の5種類に分かれており、全36品目で展開。

“家呑み”という言葉が普及するずっと以前から、晩酌用の缶詰「焼き鳥缶」で人気を博していた[ホテイ]も高級路線を強化。「牡蠣のアヒージョ」「帆立のバジルソース仕立て」(税別300〜450円)などがヒットして売り上げを伸ばしています。

ツナ缶最大手の[はごろも]は、高級ブランド「セブンシーズ」シリーズ(税別320〜550円)を昨年立ち上げました。新商品を拡充し、今期売り上げ2割増を目指します。

ブームの要因2つ目は、東日本大震災を機に、缶詰のメリットが見直されたことです。それまで下降線をたどっていた缶詰の生産量は2012年に反転。缶詰自体がメディアで注目されるようになり、非常食として美味しさの追求が再認識されました。

3つ目として、安価なワインが日常的に呑まれるようになってきたことも強力な追い風となりました。

発売当初は、高級スーパーなどでしか売れないだろうと思われていた「グルメ缶詰」。ところがフタを開けてみると、“プチ贅沢”の時流にも乗り、その美味しさ、お手軽さから、ビジネスマンや主婦など、多くのリピーターを獲得。最近では、家電量販店や雑貨店といった、食料品店ではない店舗に置かれるなど、販路はさらに広がっています。


※参考:
日本缶詰びん詰レトルト食品協会 http://www.jca-can.or.jp/
国分グループ          http://www.kokubu.co.jp/
明治屋             http://www.meidi-ya.co.jp/
ホテイフーズコーポレーション  http://www.hoteifoods.co.jp/
はごろもフーズ         http://www.hagoromofoods.co.jp/

日経産業新聞(2016年9月27日付)
日経MJ(2016年9月28日付)


若者の果物離れ。実は、“健康”にも“経済”にも深刻な問題なのです。
 

若い世代の“〇〇離れ”現象がさまざまなところで起きていますが、近ごろでは“果物離れ”が進んでいるようです。

そもそも、若者に限らず、日本人の果物の摂取量は諸外国に比べてもかなり少なく、一人当たりの一日の摂取量は欧米の3分の1から半分くらいの量。先進国の中でも下位クラスの“果物後進国”といえそうです。

ある調査によると、果物をほぼ毎日食べるという人は、70代以上で約50%なのに対し、20代以下は10%未満にとどまります。

大きな原因の一つに、“めんどくさい”があります。皮をむいたり、切り分けたりする手間と食べた後の片づけが面倒。

また、核家族化や一人暮らしの増加に伴い、スイカやメロンなど、丸ごと1個を食べきるのが難しくなり、自ずと生の果物ではなく加工品(ジュース、ゼリー、カットフルーツなど)で果物を“摂ったつもり”とする人が増えているのも原因の一つ。

“日本の果物は世界一美味しいが、世界一高い”と、日本で暮らす外国人たちが口をそろえて言うように、値段の高さもネックとなっています。

さらに、かんきつ系など、酸っぱいのが苦手という日本人全体の“酸味離れ”も一因に。

このように、若者の“果物離れ”には複合的な要因が重なり合っていて一筋縄ではいかないようですが、業界はなんとかこの流れを食い止めようと、あの手この手の打開策を試みます。

[果物のある食生活推進全国協議会]は、日頃から果物を食べることは生活習慣病の予防につながるとして「毎日くだもの200グラム運動」を展開。

また、[日本園芸農業協同組合連合会]では、会社や学校のデスクでもみかんを!と提唱。「デスクdeみかん」というみかんの消費拡大活動を、全国のみかん産地と一体となって展開しています。

さらに、消費者のニーズに合わせた品種改良も積極的に行われています。皮のむきやすい温州みかんと甘みの強いオレンジをかけ合わせた「はれひめ」、種なしで皮ごと食べられるブドウ「シャインマスカット」、渋皮と身が離れやすい栗「ぽろたん」など、数々の“手間なし果物”を開発しています。

シニア頼みの現状では、果物産業の先細りは明らか。国内市場のうち国産品は4割ほどで、TPPが発効されれば輸入品との競争は激しさを増し、生産農家の経営を圧迫し、淘汰され、それは同時に生産量の減少を招き、国産の果物を食べる機会はさらに奪われることに。ただ、“もっと果物を食べるようにしたい”とする人が4割以上もいる(「中央果実協会」調べ)という潜在需要の存在が、一筋の光明といえるかもしれません。


※参考:
総務省              http://www.soumu.go.jp/
JC総研              http://www.jc-so-ken.or.jp/
果物のある食生活推進全国協議会  http://www.kudamono200.or.jp/
日本園芸農業協同組合連合会    http://www.nichienren.or.jp/
中央果実協会           http://www.kudamono200.or.jp/

日本経済新聞(2016年8月28日付)



日常のスナップ写真をプロの手で。きょうだけ“わたしの専属カメラマン”。
 

デジカメはもとより、スマホやタブレットのカメラ機能がめざましい進化を遂げ、誰でもそれなりに美しい写真が撮れる時代。しかし、写真が身近になった分、“ちゃんとした写真”は意外に少ないものです。子供の写真はいっぱいあるのにまともな家族写真はなかったり、集合写真ではいつも一人(撮影者)が欠けていたり、二人の自撮りはどの写真も同じアングル…。

いま、普通の人たちがプロのカメラマンに出張撮影を依頼するケースが増えてきています。七五三、入園・入学、卒園・卒業、成人式などのライフイベントや誕生日、ピクニック、パーティー、家の新築記念、ペットを囲んだ家族写真など、プライベートのひとコマを、撮影してほしい日時と場所に、作品を見て気に入ったカメラマンを呼んで撮ってもらうサービス。何気ない日常の自然な表情や貴重な瞬間を“作品”として残したい-----口コミと、SNSで“みんなに見てもらいたい”願望の相乗効果で需要が高まっています。

撮影を希望する人とプロのカメラマンとをマッチングする個人向け出張撮影サービスを2016年より展開しているのが、「フォトワ」(東京)。撮影時間は1時間で、1週間以内に75枚以上の撮影データが納品されます。料金は平日1万9800円(税別)、土日祝日は2万3800円。これまで、サービスの提供は東京・千葉・埼玉・神奈川エリアでしたが、今年から全国展開を予定しています。

カップルに特化し、二人のデートに同行して撮影するサービスを手掛けるのは「ラブグラフ」(東京)。撮影時間は1〜2時間程度。料金は平日9800円(税別)、休日1万4800円。恋人同士のサプライズプレゼントとしての使いみちも。

カメラマンと助産師がペアを組み、生後三週間以内の新生児を自宅へ訪問して撮影するという、業界初のサービスを2015年に立ち上げたのは「BABYBOOTH」(兵庫)。助産師がそばに付くことで、より安心して赤ちゃんの撮影ができると、ママの間で好評です。撮影は1〜1時間半で約30カット。母子手帳セットや発育チェック・育児相談など諸々含んで6万5000円(税別)。

利用者からは、“これまでのスマホスナップとは全くレベルの違う仕上がり”“雑誌に載っているような自然でオシャレな写真”と、自分たちでは撮ることのできないクオリティーの高さに驚きの声が寄せられています。惜しむらくは、確かなニーズがあるにもかかわらず、「出張撮影サービス」の存在がまだ知られていないこと。今後の市場拡大のためにも、認知度のアップが急務と思われます。


※参考:
フォトワ     https://fotowa.com/
ラブグラフ    https://lovegraph.me/
BABYBOOTH   http://babybooth.jp/

日経MJ(2016年9月11日付)


 
 
 
 
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