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2014.02.03更新
 

買って、店で食べる。イートインスタイルのコンビニ、増えてます。
 

買った食べ物や飲み物を店内で食べることのできる、イートインタイプのコンビニが目立つようになりました。形式は、カウンターテーブルと椅子を備えた飲食専用コーナー付きの店舗が平均的。

これまで、コンビニのイートインといえば[ミニストップ]の独壇場でしたが、そこに他のコンビニ各社が本格参入してきたという様相です。そもそも業界5位の[ミニストップ]が、1980年の1号店からイートインを推し進めたのは、“後発”だったことを逆手にとった大手コンビニチェーンとの差別化が狙いでした。“しゃべれる、食べれる”をコンセプトに、持ち帰り商品とは一線を画した“できたて・作りたて”の店内調理を目玉にして顧客を獲得。現在、全店(約2,200店)でイートインを導入しています。
業界3位の[ファミリーマート]は、大手3社の中では最もイートイン型店舗の拡大に前向きで、2013年度から、新店舗の半分以上をイートインタイプにすると発表。店舗面積も従来店より2割程度拡大し、挽きたて&淹れたてコーヒーや店内調理の「ファミマプレミアムチキン」を販売。これらの好調な実績が、同社に、イートイン型の店舗展開を決断させたと言われています。
[サークルKサンクス]も昨年から2015年度へ向け、イートイン型店舗を現在の約6倍に当たる500店以上を出店する計画。冷蔵の陳列棚を増設して、和洋のスイーツの他、焼きイモやポップコーン、ピザなど、店内調理による多様な“できたて商品”の充実を図ります。
一方、業界トップの[セブン-イレブン]や2位の[ローソン]のイートイン化は、それぞれ総店舗数の1割にも満たない状況。特に[セブン-イレブン]は、最大手の余裕なのか、本業以外の商いには慎重なようです。

スペースの効率化を最優先するコンビニにとって、一見ムダとも映るイートインスペースの確保には“勇気”がいることです。1円の利益も生まない、遊休空間になりかねないからです。さらに、長居する客や学生たちの溜まり場的になって店のイメージダウンにつながるという懸念も。しかし、店内調理品は通常商品より利益率が高いことや、なによりイートインが来店のきっかけになってくれて、客層が広がることを考えると、店側には充分にうま味があると思われます。
イートインスタイルによる、コンビニの“カフェ化”“ファストフード化”の勢いは、今後ますます加速しそうです。

※参考:
ミニストップ              http://www.ministop.co.jp/
ファミリーマート           http://www.family.co.jp/
サークルKサンクス          http://www.circleksunkus.jp/
セブン−イレブン・ジャパン    http://www.sej.co.jp/
ローソン                http://www.lawson.co.jp/
日経МJ(2013年11月10日付)


合言葉は“コシヒカリを超える米作り”。変わる、「ブランド米」の勢力図。
 
米どころといえば新潟、うまい米といえば「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」----そんな常識はもはや過去の神話になってしまうのでしょうか。北(北海道)と南(九州)からの2つの新興勢力が、“うまい米市場”に攻め込んできています。

[日本穀物検定協会]が1971年産の米から実施している「米の食味ランキング」。評価方法は、20名の米エキスパートが白飯を試食し、外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価の6部門について、基準米(複数の産地で作られたコシヒカリのブレンド米)と比較して点数化。基準米より、“特に良好=特A”“良好=A”“おおむね同等=A´”“やや劣る=B”“劣る=B´”と格付けされます。2012年産米については128産地品種を対象に食味試験が行われ、29銘柄が“特A”に選ばれましたが、その結果に最近の傾向が如実に表れています。

寒さの影響で硬くてパサパサだった北海道米は、かつて“やっかい道”米と揶揄されるほどでした。そこで、冷害に強いだけではなく、粘りと甘みのある美味しい米を目指して品種改良を重ねること11年。平均気温の上昇も味方につけ、「ゆめぴりか」や「ななつぼし」を誕生させました。
一方、温暖化による高温障害との闘いを繰り返してきた九州産の米も、“質より量”が伝統で、鳥も食べない“鳥またぎ米”とさえ言われていました。そこで10年以上を費やし、猛暑に強い品種(高温耐性米)の開発に成功。その結果、福岡の「元気つくし」、佐賀の「さがびより」、長崎の「にこまる」、大分・熊本の「ヒノヒカリ」、熊本の「森のくまさん」「くまさんの力」など、続々と九州生まれの“スター米”が誕生しました。

今回ここで紹介した銘柄のすべては、2012年産米「食味ランキング」で“特A”に輝いたブランド米です。「ゆめぴりか」は、前回初参戦での“特A”から連続受賞。「くまさんの力」にいたっては、今回初ランクインながら、“特A”の中でも最高点を獲得しました。

思い返せば、記録的な冷夏で大凶作となり、“平成の米騒動”が起こったのは1993年のことでした。細長くて粘り気のないインディカ米(タイ米)のお世話になった人も多いはず。それをきっかけに、寒さや病気に強い品種の改良が加速化されました。
改良の結果が出るには、少なくとも10年の歳月を要します。ここ数年のブランド米ラッシュは、徐々にその結果が表れ始めたということです。その根底に流れるのは、米作りに携わる人たちの、“コシヒカリを超える米を!”という熱いスピリットに他なりません。

※参考:
日本穀物検定協会   http://www.kokken.or.jp/
朝日新聞(2013年5月11日付)
GLOBE(2013年11月3日-16日号)


増え続ける“買い物弱者”の味方。「移動販売車」が、やって来る!
 

自宅から商店までが遠く、食料品や生活用品の買い物に支障がある人のことを総称して、“買い物弱者”と呼ばれています。
過疎化と少子・高齢化などによって“買い物弱者”は増える一方。農林水産省の推計によると、生鮮食品を売る店が500m以内になく、車を持たない65歳以上の人は、全国で約380万人にも及ぶと言われています。
そこで、大手スーパーやコンビニでは、地元のチェーン店を活用した「移動販売車」による出張店舗を続々と送り出しています。各社、買い物が困難な人々の暮らしを民間で支援するという役割と共に、売上げ確保を実現する新たな顧客開拓としての戦略も視野に入れながらの本格稼働といえます。

[セブン−イレブン]は、2011年5月の茨城県を皮切りに、北海道から九州まで、1道15県にわたって「セブンあんしんお届け便」35台が稼働中です。専用車両(軽トラック)は、常温・20℃・5℃・-20℃の4温度帯での販売が可能。地域の集会場や老人介護施設、福祉センターなどをはじめ、個人宅への巡回も行っています。一日の売上げは、同チェーン1店舗当たりのほぼ1割程度。
同じ[セブン&アイ・グループ]の[イトーヨーカドー]は、昨年7月から、首都圏初となる「あんしんお届け便」を、東京多摩市のニュータウンでスタート。常温・冷蔵・冷凍の3温度帯を備えた4tトラックに約500アイテムの商品を積んで、週3回、計6カ所を巡回します。価格は、運営店舗(南大沢店)の店頭価格と同じ。多摩地区では、ここ数年で3つのスーパーが閉店したこともあり、地元の要望に応える形で実現しました。[イトーヨーカドー]が展開する「移動販売」は、2011年の長野県、2013年の札幌に次いで、今回が3カ所目となります。
[ローソン]は昨春、広島県内の自治体と共同で「ローソン号」による移動販売を実施。
[ファミリーマート]でも、常温・定温・冷蔵・冷凍の4温度帯の設備の他、手洗い台や電子レンジ、電気ポットなども備えた「ファミ号」(2t/3t)を2011年からスタート。さらに、極端に人口が少ない地域や道路幅の狭い場所にも対応する軽トラックの「ミニファミ号」も活躍中です。

今回取り上げた、各社の「移動販売」に共通点が2つあります。1つは、きっかけが、東日本大震災の被災地支援の一環として立ち上げたということ。2つ目は、巡回先での高齢者の安否確認も含めた、客との会話を大切にしている点です。
「移動販売車」は、大手にとどまらず、地方の中小スーパーなど、地元ならではのキメ細かな展開を見せながら全国に広がっています。“地域貢献”と“利益確保”、この両立こそ、今後「移動販売」を長く続けていくためのカギとなりそうです。

※参考:
セブン-イレブン・ジャパン   http://www.sej.co.jp/
イトーヨーカ堂           http://www.itoyokado.co.jp/
ローソン              http://www.lawson.co.jp/
ファミリーマート          http://www.family.co.jp/
朝日新聞(2013年8月29日付)


 
 
 
 
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